外国人労働者に頼らない労働生産性の向上を

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労働者の減少と景気の持続的な好調さから人手不足が深刻化している。

パートやアルバイトの時間給は64か月連続の上昇で、過去最高値を記録している。

それでも人手を集めるのが難しくなってきている。

とりわけ人手不足が深刻なのは建設、運輸、外食、小売といったところ。

先日、東京へ行ったときに大手牛丼チェーンに寄ったら、店員はほぼ外国人であった。客は日本人、店員は外国人。

こんな構図がコンビニやらいたるところで見られる光景だ。

外国人労働者に依存しないと仕事が回らないのだろうが一種異様な状況でもある。

そんな中、人手不足解消のために安倍政権は単純労働にも合法的に外国人労働者の門戸を開こうとしている。

11月27日には改正案を衆議院で可決させようとする早業だ。

議論が沸きあがる前にさっさと国会を通してしまおうという腹なんだろう。

しかし、これは日本の成長のためにはならないと思う。そして日本のご都合主義によって外国人を一種ロボット代わりに使おうというあさましい手段でもある。

なんとか、機械化、省力化等の工夫で労働生産性をアップさせなければ、日本全体の競争力は向上しない。

ところで人口減少がデフレの要因であるといわれると、ごもっともと納得しそうになるが、人口減少とデフレとは相関がないと高橋洋一さんは分析している。

机上の論理ではなく、世界各国の状況からだ。

「日本国の深層」高橋洋一著(2012年刊)より引用してみる。

・・・日本より人口増加率が低い国は東欧など10ヵ国以上あるが、そのなかで、日本のインフレ率は最低であり、日本を除いてデフレになっている国はない。

また、日本より実質成長率の低い国は途上国など10ヵ国以上あるが、そのなかで、日本のインフレ率は最低であり、日本を除いてデフレになっている国はない。・・・

外国人労働者に安易に頼ることは日本に来る外国人にも、日本人にも文化的な面でも軋轢を生じさせることは間違いない。

移民を多く受け入れたスウェーデンでは犯罪が10倍以上になったという。

安倍政権の基盤を揺るがしかねない大問題だ。

日本人の創意工夫で人手不足を解消するための解決策はきっと見出せるはずなのに。

もっとも、景気は今後悪化する可能性が大きく、外国人労働者受入の法律が通る頃には、人手不足も解消しているかもしれない。

バブル期にも人手不足だった。

警察官が外国人になったらどうするのか、などといった懸念も呈されたほどだ。

でもそれらは結局のところ杞憂に終わったどころか、そこから未曾有のリストラ時代へと突入していくという皮肉であった。



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