朝生感想(外国人労働者問題と日本の未来)

11月30日(金)深夜に放送された朝まで生テレビの録画をようやく見終えたのでその感想をまとめておきたいと思います。
入管法に関する話題であり、非常にタイムリーな話題でした。
入管法改正は、参議院もあっという間に通過し、成立してしまいました。
まったくもっての流れ作業で、やっつけ仕事のようにです。
聞けば衆議院の審議時間は15時間足らずとのことであり、問題点を十分に話し合うこともなく、法改正してしまったわけで、安倍内閣の強引さが際立つものとなりました。
この強引かつ拙速な手法は次回の選挙でのしっぺ返しとして帰ってくるものと考えられます。
【ポイント】
・人手不足といっても特定の業種に偏っており、それらの業種は低賃金、重労働の業種で求人倍率が高く、それ以外の業種では求人倍率は1倍を切っている。
⇒ 確かにある業種では求人倍率が16倍などとなっており、そのような業種により全体の求人倍率がかさ上げされていると思います。
・外国人労働者を入れると全体的に賃金水準が下がる。
⇒ これは論理としてそうなることは容易に理解できます。ましてや、今は好景気が持続しているからいいようなものの、今後景気が悪化すれば、人手不足も解消されるかもしれません。
・日本は最低賃金が安いので、人手不足になっても、機械化などにより生産性をアップさせるというよりも安い労働力でしのぐという安易な手段がとられがちである。これでは労働生産性が向上しない。
⇒ 日本の最低賃金はもはや韓国を下回るそうです。イギリスはこの10年で最低賃金を2.2倍にして労働生産性を向上させたとか。
日本では最低賃金を上げると中小企業はやっていけないという不安から、安い水準を維持しているのでしょうが、それが労働生産性の向上への努力を怠らせているともいえます。
労働生産性の向上をまず行い、それでも人手不足ならば外国人労働者に門戸を開くべきというデービッド・アトキンソン氏の言には説得力がありました。
その他、直接は関係ありませんが、安倍首相に嫌われると小選挙区制で自民党の公認を得られなくなるのではないかという恐怖から、自民党内に、もの言えぬ雰囲気があるのだと思われる感があり、興味深いものがありました。
とにかく、ドイツなど海外の例から、短期間に移民を大量に受け入れるような事態となれば、社会が不安定化することから、慎重かつ厳格に対応していってもらいたいと思います。
細かい実務は政省令で今後詰めていくことになると思いますので、官僚には頭をひねっていただきたく思います。
(パネリスト)
木村義雄(自民党・参議院議員、党外国人労働者等特別委委員長)
逢坂誠二(立憲民主党・衆議院議員、党政務調査会長代行)
明石純一(筑波大学大学院准教授、移民政策学会常任理事)
指宿昭一(弁護士、外国人技能実習生問題弁護士連絡会共同代表)
河合雅司(ジャーナリスト、高知大学客員教授)
鈴木康友(静岡・浜松市長、外国人集住都市会議メンバー)
デービッド・アトキンソン(小西美術工藝社代表取締役社長)
マライ・メントライン(独 テレビ協会 東京支局プロデューサー)
三浦瑠麗(国際政治学者、東京大学政策ビジョン研究センター講師)
森永卓郎(獨協大学教授、経済アナリスト)
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