少子化という言葉からは誤解が生まれる

正月気分もすっかり収まり、連休ということもあって、大晦日に放送された朝まで生テレビの録画をようやく見ることにしました。
1年の始まりということもあり、一つのテーマに絞られる感じではなく、総論的かつ抽象的な議論が多かった感があります。
ところで、日本で問題となっている少子化問題。
一見、結婚しても子どもを作らない、あるいは一人っ子が多くなってしまった結果という漠然としたイメージを持っていました。
ところが、パネリストの一人であるエコノミスト、藻谷浩介さんの発言だったと思いますが、結婚したカップルが生む子どもの数が変わっているわけではなく、むしろ結婚しない人が増えたことが少子化の原因であるといった趣旨のことを言っていました。
藻谷浩介さんのことはよく知らなかったのでウィキペディアなどで調べると、3人兄弟で全員が東京大学卒業って・・・。どんだけ優秀な家系なんだ。
閑話休題。考えてみれば今や30代でも独身のほうが多いくらいな感覚があります。
そこで、未婚の比率と結婚している人の出生人数をちょいと調べてみることにしました。
下の図は年齢ごとの未婚率の割合の推移です。

1970年代あたりから、概ねどの年齢層においても未婚率が上昇しています。
それにしても目立つのが、25歳~29歳の女性の未婚率が顕著に上昇しています。
50年前は10人のうち8人は結婚していたのが、今は10人のうち4人と半減しています。
次に目に付いたのが、35歳~39歳の男性の未婚率。
40歳手前になっても未婚の人が10人のうち3.5人とかなりの比率です。
これだけ見れば確かに未婚率の上昇が少子化の要因のように思えます。
一方で、結婚している人の出生人数の推移はどうなっているのでしょうか。

(国立社会保障・人口問題研究所「結婚と出産に関する全国調査」より)
上のグラフの合計結婚出生率が結婚している人が生む子どもの数の推移です。
合計特殊出生率は未婚のかたを含む数値となります。
確かに多少下がってはいるものの概ね2人程度であり、藻谷さんの言うとおりといえそうです。
緩やかな右肩下がりとなっているのは晩婚化により、年齢的に子どもを生むことが難しくなったからといえるのではないでしょうか。
もちろん他の要因もあるでしょうが、晩婚化がもっとも有力な説だと思います。
これらを総合的に考えると少子化を食い止めるのならば、若者が若いうちになるべく結婚したくなるような世の中にしていく必要があるということです。
なぜ、若者は結婚をしなくなってきているか?
これについては別途調べてみたいと思います。
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