バブル崩壊後の回復の鈍さは世界恐慌を上回る

世界恐慌といえば、歴史の教科書にも載っているような世界的な大事件であり、実際に体験したわけではないので実感は湧かないですが、それは凄まじい不況であったのでしょう。
世界恐慌直前のアメリカ株価の高値は1929年9月。そこからつるべ落としに株価は暴落。失業率は25%にも達したといいます。
その後、その高値を上回るのには第二次世界大戦を挟んで実に25年弱もの歳月を要することとなりました。1954年頃になります。
翻って、日本のバブル崩壊前の高値は1989年12月。同じように日本も株価はつるべ落とし。
ただし、失業率は5%強程度で収まっていました。日本的雇用慣行からすぐに解雇することができなかったからでしょう。要するに会社は社内失業者を抱えてがんばったということだろうと思います。
ところで今、それから30年近くの歳月が流れましたが、日本の株価はなんとも悲しいことに未だその高値を超えることができません。まだ当時の高値の約半分の水準です。
1989年の高値を抜くのはいったいいつの日になるのでしょうか。ひょっとしたら私が生きている間には2度と届かないのではないかと思えるほど遠く感じられます。
日本のデフレ不況の長さは世界恐慌を上回っており、未だ出口が見えません。安倍さんの任期もあと3年弱。
救いは日銀の黒田総裁の任期が2023年まで残っていることです。黒田日銀総裁の後任に変な人が選ばれて金融緩和縮小などと言い出せば日本は暗黒の時代から抜け出せないような気がします。
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