GPIFの運用損失14.8兆円ってどうなの?

老人



朝日新聞デジタルの見出しによると「公的年金運用損、最悪の14.8兆円 昨年10~12月」だそうです。14.8兆円という金額は確かに巨額ではあります。人の目を引き付けることでしょう。

ただ、一方で運用総資産に対する損失の比率がどの程度であるかに着目しなければ真っ当な評価はくだせないと思います。

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)運用資産の総額は約150兆円。世界最大の機関投資家です。ざっくりですが、昨年末3か月で運用資産が10%目減りしたということ。

さて、この成績は果たして他の運用者に比べてどうなのでしょうか。年金資産を運用しているのですから、極端にリスクをとった運用は許されるものではありません。

そこで、バランス型の投資信託の同時期の運用状況を調べてみることにしました。

サンプルにしたのは以下です。全く恣意はなく、なるべく資産が分散されていそうなファンドを選んでみました。

(1)投資のソムリエ(アセットマネジメントOne)

主要投資対象は、国内外の公社債、株式および不動産投資信託証券(リート)。

10月 1日の基準価額  11,349円
12月28日の基準価額  11,155円

⇒ 約2%の下落

(2)野村 世界6資産分散投信(分配コース)

国内株式5%、国内債券20%、国内REIT5%、外国株式15%、外国債券50%、外国REIT5%を基本投資比率として投資を行う。

10月 1日の基準価額  10,206円
12月28日の基準価額   9,707円

⇒ 約5%の下落

上記のバランス型ファンドに比べると年金資産はかなり資産が毀損したことがわかりました。

では日経平均と比べたらどうでしょうか。

10月 1日の日経平均  24,245円
12月28日の日経平均  20,014円

⇒ 約18%の下落

さすがに日経平均の下げ率よりはましな水準ではあります。

しかし、一般的なバランス型ファンドよりもパフォーマンスが悪いということはかなり株式に偏重しているか、運用が稚拙ということになるでしょう。少なくとも後者であってほしくありません。

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