ジニ係数から東京の格差を検証

先日、あるインターネットテレビ番組を見ていたら、東京における若者の失業率は地方の平均よりも高いということであった。
理由としては、若者は東京や大阪などの大都市に移動してしまい、大都市圏での若者の労働力が過剰になって競争が激化する一方で、若者が流出してしまった地方は労働力が減ってしまい、失業率が下がるというのがその要旨でした。
東京には職があるから若者が集まるというのが一般的な見方であろうと思いますが、実際のところはイメージとは違うようです。
また、東京には外国人留学生がたくさんいて、彼らが安い労働力を提供するため、日本の若者の職が奪われているという面もあるでしょう。実際、東京のコンビニや牛丼店などの店員の半分以上は外国人じゃあるまいかという印象を受けます。
東京で格差は拡大しているのか?確認してみましょう。
【ジニ係数】
ジニ係数という指標があります。所得や資産の不平等さを表す指標であり、指標は0~1の数値となります。数値が大きいほど不平等が大きいことを示します。0.2~0.3程度が望ましいとされ、0.4を超えると格差が拡大しており、社会が不安定になって騒乱が起きやすくなるとされています。
新聞などでよく国別のジニ係数が紹介されたりしていますが、日本国内の都道府県別のジニ係数がないか探してみました。

(出所)社会実情データ図録
ございました。上図では2004年と2014年の都道府県別のジニ係数を示しています。
東京を見てみると2014年では全国トップ!0.4を超えていないのが救いですが、2004年からの格差拡大が際立ってわかります。
しかし、島根や大分などの地方も格差が拡大している一方で、岩手や宮崎などは格差が縮小しているなど、ステレオタイプ的な見方はできないようです。
とはいえ、若者や外国人などが多く流入している東京の格差拡大は間違いなく進んでいるものと考えて間違いないでしょう。データが2014年と古いので、今はさらに加速しているかもしれません。
通称「移民法」が成立し、日本には外国人労働者が増えていく道筋が立ちました。現在も、外国人留学生や技術実習生をいう名目で、外国人労働者が130万人近くいるところにさらに増やそうというわけです。
東京に日本全体の未来を見ることができます。
今後、日本はさらに格差が広がっていき、社会はますます不安定化しそうです。悲しい現実です。
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