意思決定のスピードの違い(企業規模・経営形態から)

先日、企業に新商品の導入を進めている営業マンの方にこんな話を聴きました。
「大企業よりも中小企業のほうが意思決定が早い。」
意思決定のスピードの違い
まあ、なんとなくわかりますね。巨大タンカーよりもモーターボートのほうが方向を早く変えられるのと同じです。
大企業ですと、新しい設備を入れるとなると、まずは根回しをして(これが厄介)、経営会議なりにかけて、稟議書を作成してぐるぐる回していつ戻ってくるか、今どこにあるかもわからない。
そんなことをしてる間に半年くらいはあっという間に過ぎてしまいます。
それに比べ、中小企業は社長の鶴の一声で決まり、即導入といったことも可能です。現代社会のように変化が激しい時代は、スピードが非常に重要です。大企業はスピードに欠けるため、時代から取り残されるリスクが高くなります。
大企業病からの回復
では、大企業はどうしたらよいのでしょうか?
まず問題なのは部門の数が多すぎることです。部門数が多いほど、調整に時間がかかりますし、縦割りで全体のバランスを欠き、いわゆるチームワーク(横軸)が機能しなくなります。
部門数はなるべく減らし、風通しをよくして、何が問題かを見えやすくする必要があります。
また、肩書き(階層)の数が多すぎることです。主任、課長補佐、課長、部長補佐、部長、取締役、常務、専務、社長など階層が多すぎて、情報が上層部になかなか上がってこない、上がってきても歪められている、などの弊害が出て、経営陣が正しい判断ができなくなります。係長、課長、部長、取締役、社長くらいにして縦軸もシンプルにする必要があります。
また、新聞報道等によれば、オーナー社長の会社の株価のほうが、サラリーマン社長の会社の株価よりも上がっているとのことです。
やはり、オーナー企業、とりわけ創業者は叩き上げで事業を興してきたのですから、リーダーシップや行動力、動物的な判断力などがサラリーマン社長とは格が違うのでしょう。
会社が伸びるかどうかは8割方社長にかかっていると思います。投資判断には社長の人となりを調べ、惚れ込んだ社長に投資するくらいの覚悟が必要だと思います。
これから経営に携わる方にはぜひお勧めの本です。日本企業の問題点や課題が具体的なストーリーとともにきめ細かく分析され、その改善策が示されています。

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