スズキが7年ぶりの営業減益。でも心配無用

進境著しいスズキ(7269)ですが、2018年4月~12月までの決算は前期比1%の減益となりました。
同期間での減益は実に7年振りとのこと。とりわけ、10月~12月までの減益幅が大きく、年末にかけて急ブレーキがかかったようです。
減益の要因は、ドル箱のインド市場での自動車販売の減速と新興国通貨安の2つです。
(1)自動車販売の減速
インド経済の景気後退懸念やガソリン価格の高騰から消費者の財布の紐が固くなっており、自動車販売全体が鈍っているようです。販売促進のための値引きや販促費で利益が薄くなってしまいました。
(2)新興国通貨安の影響
インドの通貨であるインドルピーは1ルピー=1.61円ほどですが、前年同期は1ルピー=1.74円ほど。ルピーは8%ほど価値が下がりました。要は円高による影響で採算が悪化したということになります。
ところで、一番気になるのはインド市場におけるスズキのシェア。シェアと落としつつ、採算が悪化しているのではないかというのが一番の心配の種です。
そこで2018年12月単月の販売台数と2017年12月のそれを比べてみました。

シェア自体は横ばいで相変わらず。ざっと言えばインドのクルマの2台に1台はスズキ車ということでインド市場では圧倒的な競争力を維持しています。ホルダーとしてはひとまず一安心。
今後の懸念としては、次世代技術への対応で遅れを取らないかということです。自動運転や電気自動車などへのシフトに着いていけるかどうか。
スズキ単独での開発は難しいのはスズキ自身がもっとも理解しているからこそのトヨタとの提携ということになるのでしょう。かつてソニーのグループ会社であったアイワのような展開にならないことを切に望みます。
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