ホンダ、イギリスからの撤退。F1はどうなる?

F1

ホンダ(7267)がイギリスから工場を撤退させるといいます。これでヨーロッパからホンダの四輪工場は無くなってしまうことになります。今後、ヨーロッパ市場への販売には日本からの輸出で対応することになります。

ホンダ車が占める欧州でのシェアは1%未満、ホンダの販売全体に占める比率は3%ほどと、もともと存在感が薄い中、イギリスのEU離脱がその引き金をを引くこととなったようです。

イギリスがEUから合意なき離脱をした場合、イギリスからヨーロッパへの輸出には10%の関税がかかります。また面倒な通関手続も必要になります。

その他の自動車メーカーもイギリスでの生産の縮小を検討しているようです。

イギリスは移民の流入による雇用喪失への反感からEU離脱を決定したのですが、今度はEU離脱の影響により雇用が喪失するという皮肉な結果となっています。

ところで、ホンダはF1チームにパワーユニット(エンジン)の供給をしています。F1はもともとヨーロッパの文化。F1参戦の目的の一つにはヨーロッパでの知名度アップによる販売促進効果であったと思います。

昨年までの2年間はトロロッソに供給。そして、今年はその兄弟チームで強豪のレッドブルにもパワーユニットを供給します。

この2年間は復帰にともなう苦難もあり、顕著な成績はあげられませんでした。しかし、今年はいよいよパワーユニットも熟成し、さらに強豪チームと組めたことで優勝も狙えるところまで来ました。

せっかくこれからというところで、ヨーロッパから工場を撤退してしまうということはF1への参戦の継続が懸念されるところです。ヨーロッパで工場を持たず、販売も少ない中でヨーロッパで戦うということに意義を見出すことは難しく感じるからです。ホンダのモチベーションも下がってしまうのではないでしょうか。

以下に、ホンダの世界展開とF1開催地をまとめてみました。

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2019年、F1は全21戦行われます。その中でヨーロッパは9戦のみ(ロシアは除く)。

世界経済の勢力分布が変化する中、F1におけるヨーロッパの地位もそれに比例して随分下がってしまいました。

ヨーロッパから撤退しても、南北アメリカ大陸、アジアでの宣伝効果は高められそうですし、存続の意義は十分にありそうです。レッドブルとしても契約してすぐに撤退されたらたまったものではないでしょうし。

それにしても気になるのは、ホンダはこれから北米と中国での販売に注力していくという方針。

アメリカは巨大な市場ではありますが、成熟した市場です。また、中国は米中貿易戦争の影響もあり、今後、急激に経済が悪化する懸念があります。

成長市場であるインドに特化して販売台数を伸ばしているスズキ(7269)にいつか逆転されるのではないかとも考えられるので、ここ5年間の世界販売台数の推移から今後の動向を予測してみました。

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意外にもホンダのほうが伸び率が高く、この傾向が今後も続くのであれば差はますます広がるという結果となりました。

もちろんこれは過去の延長からの予測であり、実際にこうなるとは思えませんが。何しろ今後、中国がどうなっていくのかを予測するのは困難です。

また自動車もIT化による新プレーヤーの台頭によって産業構造が一変する可能性があります。

旧来の自動車メーカーと新興するIT企業が入り混じった業界再編が刻一刻と近づきつつあります。



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