楽天モバイル、後発のメリットを生かし切れるか

楽天(4755)が今年10月から始める携帯電話サービスの設備を公開しました。
携帯電話事業者の設備投資に占める基地局の割合は8割程度とされていますが、楽天は高額な専用機器を使用せず、市販のサーバーを使用し、設備投資を大手キャリアの5分の1程度の金額(6千億円)に抑えるといいます。
開発を担うのはアメリカのスタートアップ企業であるアルティオ・スター・ネットワークスという会社です。同社の技術を大手キャリアが全面採用するのは初めてだそうです。
楽天モバイルでは海外で多くの経験を持ち、インドの携帯電話会社ではクラウド型の無線アクセスネットワークを採用して設備を簡素化し、コストを抑えつつ、1年半という短期間でインド市場でのシェアを15%(3位)まで伸ばしたやり手であるアミン氏という人が陣頭指示をしているようです。
当初は4Gでの導入となりますが、新技術を活用し、アンテナを5G対応にするだけで5Gのネットワークを構築可能とのことです。通常、5Gにするだけでも1兆円規模の設備投資が必要とのことですが、そのコストも大きく抑えられそうです。
ただし、懸念点もいくつかあります。
まず、新技術であるがゆえにその信頼性は未知数であるという点。10月に本当にサービスを開始できるのかという点でさえ危うさを感じてしまいます。
サービスを開始しても電波がなかなか入らなかったり、通信障害が頻発したり、通信速度が遅かったりすれば、期待はずれで顧客は離れていってしまうでしょう。
当初は都心部などでは自前のシステムを使い、地方はKDDIの回線を借りることになりますので、純然たるMNOではなく、MNOとMVNOの中間といったところでしょうか。
とにかく後発のメリットを生かしきることができるかが、成否の鍵を握っているようです。それにしても楽しみです。初期トラブルが出ないか様子を見て乗換えも検討してみたいところです。
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