投信KPI公表。販売手法による違いが明確に

株式市場、為替市場が落ち着きを取り戻しつつある中、投信市場にもお金が戻りつつあります。
意外なのは、海外のリートで運用する投資信託にお金が集まっていること。アメリカの利上げがストップしそうなことで、相対的にリートの魅力が増したようです。
毎月分配型の海外リートの分配金引き下げ、当局からの否定的見解の表明により解約が続いていましたが、その解約もそろそろ出尽くしといったところです。
ところで、金融庁が公表を呼びかけていた投信の共通KPIが一部の金融機関で開示されました。
(KPI:金融事業者を客観的に評価できるようにするための成果指標)
開示した金融機関は96社とまだまだですが、今後増えていくだろうと思います。
指標としては、
・顧客の損益の比率
・残高上位20銘柄のコストとリターン
・残高上位20銘柄のリスクとリターン
が開示されております。
しかしながら、金融機関によって販売手法が明らかに異なるため、同じ土俵で比較するのは無理があるというのが率直な感想。
評価益を出している顧客の比率でトップ3を占めたのは、コモンズ投信、レオス・キャピタルワークス、セゾン投信。(98%、91%、85%の順)
積立型の投信販売に注力している会社であり、単にドルコスト平均法による恩恵を被っただけと捉えることもできます。
ちなみに全体では54%の顧客が評価益を出しています。
成績が悪かったのは、中小証券や一部の銀行。
中小証券はもともと扱っている投資信託が少なく、特色のある投信に特化していたりするので、良い時と悪い時が極端に振れる傾向にあります。
また一部地銀は推測ですが、毎月分配型の投信を積極的に販売していたのではと思います。複利効果が働かないので、評価益が出にくいのが裏目に出たのでしょう。
また、問題点としては、売却益が加味されていないので、売却が出にくい積立に特化している会社が好成績になるのは当然です。やはりトータルリターンを基本に比較しないとフェアではないでしょう。
また、このような歪んだ評価方法をしていると、悪辣な営業マンなどは、儲かっていてもあえて利食いをさせないという行動に出る可能性もあります。
評価の方法により、思いもしなかった営業手法が跋扈する可能性があり注意が必要だと思います。
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