ベア型ETF購入の是非についての考察

日経新聞の記事は案外正しかったのかもしれません。
関連記事:株価の戻りはいつまで、そしてどこまで?
全体的に相場が下降すれば、どんな有望株も連安になるのは避けられないのは世の常です。かといって、今後の成長を期待して買った株をあっさり売ってしまうほどの勇気もないのが現実のところ。売ってから上がるほどショックなことはありませんから。
となるとベア型のETFを買っておいて、相場の下げに備えて持ち株のヘッジを兼ねておくというのもひとつの選択肢でしょう。
なによりETFが魅力なのは指値で取引ができることです。いわゆる公募型の投資信託ですと指値はできないので、結果は出るまでわからず、しかもコストが高い。
しかしながら、ブルベア型の投信は長く持てば持つほど、コスト面から不利になるといった側面もあると聞きます。あくまでも短期投資の対象であり、長く保有すると、指数が下がっても結局儲からないのでは?といった懸念が生じます。
しかし、今はさまざまなETFがあることから、状況も変わっているかもしれないと思い、調べてみることにしました。
【株価下落時に利益となるETFはどんなものがあるのか】
・TOPIXベア2倍上場投信(1356)
・NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信(1357)
・日経平均ベア2倍上場投信(1360)
・ダイワ上場投信-日経平均ダブルインバース・インデックス(1366)
・ダイワ上場投信-TOPIXダブルインバース(-2倍)指数(1368)
・ダイワ上場投信-日経平均インバース・インデックス(1456)
・ダイワ上場投信-TOPIXインバース(-1倍)指数(1457)
・楽天ETF-日経ダブルインバース指数連動型(1459)
・ダイワ上場投信-JPX日経400インバース・インデックス(1465)
・ダイワ上場投信-JPX日経400ダブルインバース・インデックス(1466)
・JPX日経400ベア上場投信(インバース)(1468)
・JPX日経400ベア2倍上場投信(ダブルインバース)(1469)
・NEXT FUNDS JPX日経400インバース・インデックス連動型上場投信(1471)
・NEXT FUNDS JPX日経400ダブルインバース・インデックス連動型上場投信(1472)
・TOPIXベア上場投信(1569)
・NEXT FUNDS 日経平均インバース・インデックス連動型上場投信(1571)
・日経平均ベア上場投信(1580)
思った以上の本数に驚きました。この中で選別要素として、
・日経225に連動すること
⇒(理由)わかりやすいし、なによりTOPIXより割高に買われていると思われるから。
・日経平均の2倍の値動きをすること
⇒(理由)リスクは大きくなるが、少ない資金で効率的な運用ができるから。
で選別してみると、
・NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信(1357)
・日経平均ベア2倍上場投信(1360)
・ダイワ上場投信-日経平均ダブルインバース・インデックス(1366)
・楽天ETF-日経ダブルインバース指数連動型(1459)
・NEXT FUNDS 日経平均インバース・インデックス連動型上場投信(1571)
の5本に絞られました。
さらに、コストが安いほうが有利であるので、信託報酬の小さいものから3本に絞り込むと
・日経平均ベア2倍上場投信(1360)
・ダイワ上場投信-日経平均ダブルインバース・インデックス(1366)
・楽天ETF-日経ダブルインバース指数連動型(1459)
あとは流動性が高いことを考えると純資産が一番大きなものは
・日経平均ベア2倍上場投信(1360)
となりますが、楽天ETF-日経ダブルインバース指数連動型(1459)の信託報酬が0.35%と群を抜いて安い。
ということで、楽天ETF-日経ダブルインバース指数連動型(1459)に絞り込み調べてみました。売買単位は1株からで5千円程度で売買できます。
■楽天ETF-日経ダブルインバース指数連動型(愛称:楽天225ダブルベア)
運用するのは、楽天投信投資顧問。ホームページを見ると日経平均株価の変動と2倍の逆(マイナス2倍)の動きとなる指数である「日経平均ダブルインバース・インデックス」に連動することを目的に運用を行うとあります。
「日経平均ダブルインバース・インデックス」は、日々の騰落率を日経平均株価の騰落率の-2倍として計算された指数で、2001年12月28日の指数値を100,000ポイントとして計算されているそうです。
日経平均株価-2倍連動を実現するため、ファンドでは日経平均株価の株価指数先物取引を活用し、その売建て総額が純資産総額の約2倍程度となるよう日々、調整を行うとあります。
留意点として、日経平均ダブルインバース・インデックスは、変動率が日経平均株価の日々の変動率の-2倍となるように算出されているため、前営業日と比較するとその変動率は日経平均株価の-2倍となりますが、2営業日以上離れた日との比較においては、日経平均株価の変動率の-2倍になるわけではありませんとあります。
ここが非常に重要なポイントです。
さらに、日経平均ダブルインバース・インデックスは、日経平均株価が上昇・下落を繰り返した場合に、マイナスの方向に差が生じ、逓減する可能性が高くなります。また、一般に、上昇・下落の期間が長くなるほどその差が大きくなり、逓減が強まる特性を持つとあります。
上げ下げを繰り返すほど不利になるようですので、ボックス相場時の投資は避けるとともに損切りを早くする必要がありそうです。
従って、当ファンドは、一般的に中長期の投資には向かず、比較的短期間の投資に向く金融商品です。また、日経平均株価に連動するファンドに比べ、当ファンドでは利益・損失の額が大きくなることにも注意が必要ですと書かれています。
やはり長く持てば持つほど負ける可能性が高くなりますので、あくまで短期的な投資にとどめる必要があることは間違いありません。
でも、どのくらいを目処にすればいいんだろうか?
目処は個人個人で判断が分かれるところでしょうが、自分ルールでは1か月勝負と考え、買っても負けても1か月で手仕舞うようにしないといけないと決めたいと思います。
そうなると売買委託手数料が負担となることから、10万円まで手数料無料の松井証券が魅力的に思えてきました。
今後、ベアETF取引時にはご報告したいと思います。
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