PPIH?ユニーともども今後の成長に期待

PPIH((株)パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス)と聞いて、ピンとくる人は少ないのではないでしょうか。
PPIHとは旧(株)ドンキホーテホールディングスです。簡単に言ってしまえばドンキ。そんなPPIH(7532)から中間報告書が届きました。
今回、東海地区を地盤とする大手スーパー、ユニーを買収したこともあり、今後の投資方針を考えてみるべく目を通してみました。
以下はそのポイントです。
・ユニーを子会社化したことで、267店舗が加わり、売上高で国内小売業界で第4位になった(グループ総店舗数は698店舗)
(参考)小売業売上高ランキング
1.イオン 83,900億円
2. セブン&アイH 60,378億円
3.ファーストリテイリング 21,301億円
4.PPIH 16,121億円
5.ヤマダ電機 15,739億円

・既存店売上高は0.6%成長
・2019年6月期(通期)連結業績予想
(売上高)1兆3,700億円(前期比+45.5%)
(営業利益)630億円(前期比+22.2%)
・ユニーの前期売上高は6,706億円、従業員数は22,507名
・2019年に約20店舗のユニーをドン・キホーテ方式に業態転換する
・さらに5年以内に約100店舗を業態転換する
・ドン・キホーテとユニーは企業カルチャーは大きく異なる
・既に業態転換した6店舗では売上高が83%増、粗利益が59%増
・海外店舗は42店舗と拡大しており、今後長期的にはグループ売上高の3分の1を占めたい
要約するとざっとこんな感じです。
ドンキの売上が9,415億円、ユニーが6,706億円ですので単純に足せば1兆6千億円以上になりますが、業績予想が1兆3,700億円となっているのは、合併の時期が期の途中であるためだと思います。
ユニーの業態転換で5年以内にはユニー単独でも売上1兆円は可能かと思います。ドンキの既存店と新規出店もあるでしょうから、ドンキサイドでは確実に1兆数千億円は可能な水準でしょう。
合計すれば5年以内に2兆5千億円くらいは可能でしょう。営業利益は控えめに1,000億円と予想します。純利益で700億円と考え、PER20倍と仮定すると時価総額で1兆4千億円。現在の時価総額はおよそ1兆1千億円。
1.4/1.1×7,040円(3/25株価)=約9,000円
小売業ですので、大暴騰とはいかないでしょうが、株価の伸びしろはまだまだありそうな気配です。海外の展開も中国へは出店しておらず、アメリカ中心の出店となっています。賢明な判断だろうと思います。ヤオハンみたいになってはいけませんので。
創業者の安田さんはとかく異端児のように見られがちですが、実は守りのしっかりした人なのです。守りは目立たないので、攻めの部分が目立つだけで、ご本人もそのように認識されているようです。
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安田さんは一線を退かれましたが、非常勤取締役に名を連ねています。立派なのは、子どもが会社に入っていないこと。世襲を好まず、会社を自分の子どもとして考えているそうです。セミリタイアなのでしょうが、ドンキに何かあったときには親としてまだまだ頑張ってほしいものです。
(投資は自己責任で!)
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・ドン・キホーテによるユニー子会社化の影響
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