やはり報道されない新聞の消費税軽減税率

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3月27日付、日本経済新聞に「社長100人アンケート」なるものの結果が報道されていました。意外と思えるほど、今後の景気について強気の見方が多く、違和感を感じざるを得ませんでした。

半年後の国内景気の見通し

景気が「拡大する」という見方が50.3%と過半数を占めています。「悪化する」は11.7%。拡大の理由として、設備投資の増加や個人消費の回復、消費増税前の駆け込み需要などが挙げられています。

雇用や所得環境の改善が続いているなどという見方もありますが、雇用はともかく、所得環境の改善などが本当に続いているのでしょうか。労働者の実質賃金は前回の消費増税後の落ち込みが改善された後はほとんど横ばいでむしろ悪化傾向です。

以下は実質賃金の推移です。赤線は、統計データ上の問題を修正し、連続性を保つために正しく補正されたものとなります。
(詳しくはこちらをご覧ください。)

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2019年度の設備投資計画

2018年度よりも増やすとした回答が26.9%。減らすとの回答が4.9%。世界経済の後退懸念が出ている中にあるにもかかわらず、こちらも意外なほどに強気です。

消費増税後の反動による売上げの落ち込み

5%未満の落ち込みとの回答が29.7%で最多です。驚くのは、34.5%の社長が落ち込まないと回答している点。少々甘い見通しと言わざるを得ないと思います。

増税の悪影響への対策について

報道によれば、手厚い経済対策が用意されており、いかにも増税しても問題ないといわんばかりの論調。具体的な対策として、住宅ローン減税の延長、自動車税の軽減、食料品の8%据え置き、キャッシュレス決済でのポイント還元が挙げられています。新聞の軽減税率についての言及は一切無し。

これらの対策で日本の基幹産業である自動車業界と、庶民に大いなる影響を与える新聞業界は完全に政府に取り込まれてしまったと感じます。

消費増税撤回ができない時期が来るまで、今後も消費増税問題なしの報道継続は間違いないものと思います。

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