株式投資は格差拡大に対する保険となる

取引所



新元号が発表されました。関係あるかわかりませんが、株は大幅上昇。ただ、大型株ばかり。小型株はむしろ下がっているところを見ると官製のご祝儀相場といったところでしょうか。

ところで現在、社会は世界的に経済的格差が拡大しており、人々は富裕層と貧困層に分断されています。先進国でとりわけ格差が大きい国といえばアメリカでしょう。
(国別の所得格差についてはこちらをご参照ください)

アメリカでは上位10%の人が総所得の40%以上を得ています。資産格差についてはもっと過酷であり、上位1%が金融資産の50%を保有しています。そして、さらにアメリカの政治、経済は上位0.1%の人たちの手で動かされています。

0.1%の人たちが自分たちが有利となるように政治を動かし、税制を歪めています。数十億円もの所得を得ている人の所得税率が数千万円の人より低いような税制がまかり通っているようです。日本ではちょっと考えられない不条理さです。

このあたりの実態はワシントン在住の国際政治アナリストで、日本の保守層にも(もちろリベラル層にも)痛烈な批判を展開されている伊藤貫先生の講義が非常に参考になります。
(詳しくはこちらをご覧ください)

しかし、格差拡大の一方でアメリカの株価上昇は凄まじいものがあります。とりわけ1990年代前半からの株価上昇が顕著です。

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それでは、格差拡大の状況はどうでしょうか。世界各国のジニ係数の推移は以下のようになっています。ジニ係数は所得や資産の不平等あるいは格差をはかるための指標のひとつです。

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(出所:社会実情データ図録)

1980年代から一貫して、所得格差の拡大が続いています。

労働者が働いて得た収益が労働者には分配されず、株主に分配され、株をたくさん保有する保有する富裕層にますます集中するという構図が見てとれます。

対して日本はどうか。アメリカほどの格差はないものの、傾向としてはアメリカ同様、所得格差が拡大しつつあります。

ということは日本でもアメリカ同様、株主に富が集中する傾向にあると考えるのが普通です。日本株に占める外国人投資家の割合が増えていることからもその圧力は強まっているでしょう。

庶民ができることは何か。格差が広がって負け組になる可能性が高まっていくのであれば、せめて株式を保有することが、格差社会の進展への保険になると思います。

今はつみたてNISAやイデコなど、税制のメリットを享受しながらコツコツと投資する手段が広がっています。また今後、東証などは1株からでも投資ができるような仕組みを作っていくようですから、そのようなサービスを利用して格差社会への備えをしておくことが人生のリスクヘッジにつながるといえます。

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