イギリス、合意なき離脱と合意ある離脱、どう違う?

EU

世界経済の大きな不安材料の一つとして、イギリスのEU離脱問題があります。合意なき離脱がどうのこうのといっていますが、そもそも誰と誰が合意するのかもよく知らなかったので、恥ずかしながら調べてみました。

知りたいポイントは以下の3つです。

・合意とは誰と誰の合意をいうのか
・合意の具体的内容はなにか
・合意がないとどうなるのか



 合意とは誰と誰の合意をいうのか

イギリスとEUとの合意をいいます。離脱交渉で合意が得られないままEUを離脱するケースを「合意なき離脱」と呼んでいます。

 合意の具体的内容はなにか

EUは、600ページにもわたるイギリスとの離脱文書を作成しています。この中には、イギリスが支払うべき5兆円にもなる清算金やイギリスに住むEU市民・EUに住むイギリス市民の権利関係、北アイルランド国境の取扱いなどが含まれています。

 合意がないとどうなるのか

合意がないまま離脱してしまった場合、輸出入に関税がかかることで貿易障壁が高くなり、イギリス、EU双方ともに損失を被ることになります。

また、今までは不要であった税関手続きが発生し、余計な手間やコストが発生することになります。

経済的な損失により、ポンド安や株安の可能性も高くなります。合意があれば、上記のような影響はある程度軽減されることになります。

さて、なぜ合意ができないのでしょうか?

イギリス議会で、メイ首相とEUが合意した離脱案が承認されないというのが原因です。2019年3月29日がEU離脱の期限でしたが、イギリス国内がまとまらないため、EUは離脱期限の延長を認めました。

メイ首相は議会の承認を得られれば、自ら辞任する意向を示しており、自分の首を差し出した格好です。

でも逆にいえば、延長すればするほど自身の立場は守られるという面もあり、どちらに転んでもいいという保険がかかっているという状態といったところでしょうか。

とにかく、世界経済への影響を最小限に抑えて軟着陸を目指してもらいたいものです。

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