セブン銀行、セブンイレブンの出店減とともに沈む

セブン銀行(8410)の収益の増減はほとんどセブンイレブンの店舗数に依存していると考えて差し支えないでしょう。
そして、セブン銀行にとって逆風となるのはセブンイレブンの店舗数の増加に急ブレーキがかかったことです。
人手不足による人件費上昇がコンビニオーナーの経営を苦しめています。人件費はここ10年間で3~4割も増加しています。
そもそも、人手が集まらないといった問題もあり、その中で24時間営業を続けるとなれば、オーナー自身が不眠不休状態で働かざるを得ず、過酷な労働環境におかれます。
しかし、自らがオーナーである以上、ブラック企業だとして会社を訴えるわけにもいきません。まさに孤立無援といった様相です。
2019年度の新規出店は900店舗の予定ですが、一方で閉店も750店舗予定されており、150店舗の純増にとどまります。これは1977年以来の低水準であり、なんと40年以上ぶりのことです。下手をすれば、今後、純減になる可能性も否定できません。
苦しい現場の状況からセブンイレブンのFC本部もここに来て、営業時間については柔軟に対応する姿勢を打ち出しました。
今後は、営業時間の短縮や無人レジの導入などによる人手不足の解消により持続可能なビジネスモデルに改良していく必要があります。
ところで、セブン銀行。キャッシュレス社会の進展で、ATM1台あたりの稼働率が低下している中、店舗も増えないとなれば、収益が縮小均衡に陥る可能性が高いと思います。
ここ2年の株価推移を見ると、セブン銀行の株価は日経平均株価のパフォーマンスを大きく下回っています。セブン&アイ・ホールディングスについても同様です。
人手不足が成長への大きな壁となってしまいました。セブン銀行の株は今後もあまり期待できそうもないというのが率直な感想です。
【関連記事】
・行き詰まるセブン銀行のビジネスモデル
・セブン銀行の事業報告から考えるコンビニATM
・コンビニATMの憂鬱
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