働き方改革による労働生産性の向上とその分配は・・・

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働き方改革が4月から法律上も正式にスタートいたしました。企業にとっても、労働者にとっても好ましい改革にできるのかが最大の焦点です。

無駄な付き合い残業が無くなれば労働生産性は間違いなく上がるでしょう。

仮に2人の労働者がいたとして100個の生産量があったとします。

1人が12時間働いた場合に、もう1人も雰囲気的に早く帰れず12時間働く(いるだけだけど)としたら、単位時間あたりの生産量は、100÷24で4.16になります。

しかし、ドライではありますが、1人はとっとと8時間で帰れば、100÷20で5に上がります。

これは会社にとってはいいことです。人件費というコストが減るからです。

労働者にとってはどうか?これは一概にはいえません。残業代を当てにしている人もいるでしょうし、早く帰ってゆっくりしたいと思う人もいるでしょう。個々人の価値観や金銭感覚、家計の状況や健康状態などに左右されると思います。

それでも、残業代を当てにしてわざとゆっくり仕事をするような人はあまり尊敬できませんね。上記の例でいえば、どちらも一生懸命働いているのならば、業務量の配分がおかしいので修正が必要です。

しかし、同じ仕事量であれば、短時間で仕事をこなす人のほうが有能でしょう。時間あたりの給料も高くて当然となります。まじめな人ほど損をする社会ではいけません。

それでは日本経済全体にとってはどうか?

残業が減れば、残業代が減りますから、その分、労働者の収入は減ります。

当然、可処分所得も減りますから消費全体が弱くなってしまいます。10月には消費増税が予定されていますから、さらにこの流れが加速されてしまいます。

無駄な残業を無くして労働生産性がアップしたときに重要なのは、その果実を労働者に還元することでしょう。株主にだけ還元するようなことになれば労働者の創意工夫や努力が報われないことになり、労働意欲も減退してしまいます。

残業を減らした人(労働生産性を向上させた人であり、生産個数を減らした人ではない)の収入が減らないように、むしろ増えるようにできるかが、日本経済復活の鍵になると思います。

労働生産性は放っておいても上がると思いますが、収入が上がるかは政治家や経営者の判断に委ねられる部分が大きいので、バランスを考えて真っ当な分配をしてもらいたいもんです。

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