人口減だからデフレ化するか、デフレだから人口が減るか?

表題のように聞かれれば、ほぼ9割以上の人は人口が減少するからデフレになると答えるのではないでしょうか。
かくいう私もそう思っていました。しかしながら、世の中には広く浸透した先入観というものがあり、その考え方が根付いてしまうと間違っていたとしても、信じ続けられるということはよくあることです。
デフレだから人口が減少するのであって、人口が減少したからといってデフレになるわけではないという考え方を三橋貴明さんの本で知り、少々びっくりするとともに、ある種の納得感も得られたのであります。
そのポイントを紹介してみたいと思います。
・日本よりも速いペースで人口が減っている国が世界には2桁の数で存在する
・具体的には、リトアニア、ブルガリア、ルーマニア、クロアチア、ハンガリー、ポーランドなど
・上記のような国でもデフレに陥っている国はひとつもない
・したがって、人口が減るとデフレになるのではなく、デフレが続くことで、国民の所得が減り、結婚や出産ができなくなり、人口が減少するといえる
・江戸時代の元禄バブルの崩壊、世界恐慌下のアメリカでは出生率が下がった
・近年のギリシャでもデフレにより人口が減り始めた
(参考文献:「第4次産業革命」三橋貴明著)
日本のような経済大国と比較するには経済規模の小さな国ばかりなので、本当にこの理論が正しいかの確証は持てませんが、常識を疑うという点でも非常に面白いし、信憑性も高いといえるのではないでしょうか。
日本は今、生産能力が過剰で、安いモノがあふれかえっているにもかかわらず、それ以上に実質賃金が下がっているため、安いモノすら買えなくなってきているデフレ型の貧困に陥っています。
逆にインフレ型の貧困というものがあり、こちらは、生産能力が少なかったり、物流網が発達していなかったりして、モノが十分に行き渡らず、給料の伸び以上にモノの値段がどんどん上がって、買えなくなることをいいます。
かつての敗戦国である日本やドイツは徹底的に生産設備が破壊されたために、敗戦後はインフレ型の貧困に見舞われました。
そのトラウマから、インフレ=悪という構図が刷り込まれており、中央銀行はインフレファイターなどと呼ばれ、インフレを徹底的に悪視し、インフレ型の政策を取らない傾向にあります。(黒田総裁は珍しいタイプといえるでしょう。)
現在でも、公共投資の抑制、消費増税とデフレ推進型の政策が取られているため、当分、デフレからの脱却ができないと考えて間違いなさそうです。
↓ 三橋貴明さんの新刊、早速買いました。読まずに眠っている本が山のようにあるのにまた買ってしまった・・・。
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わかりやすいです、とても。データに基づく裏づけがあるうえに考え方がシンプルで。難しいことをわかりやすく説明するって、すごく重要なことだし、親切だと思います。
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