イランからの原油輸入禁止の影響やいかに・・・

タンカー



トランプ米大統領は、イランからの原油輸入を禁止する経済制裁について、現在日本などに認めている制裁の適応除外を5月に打ち切ることを決定しました。どういうことか?

現在、日本はイランから原油を輸入していますが、6月以降も輸入し続けるならば、アメリカが日本を制裁するということです。

制裁の内容は、イランとビジネスを行う者はアメリカとビジネスできなくすることです。簡単に言えば「あいつと付き合うな!付き合うならおまえとは付き合わない!」ということ。その目的はイラン政府の財源を奪いとってしまうことです。

さすがジャイアン、いやアメリカ。いまやアメリカで使う原油は自国で賄うこともできるので、中東諸国に気を配る必要性は薄れてきたのでしょう。FATCA同様、傲慢なやり方ではありますが、悲しいかな日本は逆らうことはできません。

適用除外となっている国は日本の他、中国、インド、韓国、トルコです。適用除外としていたのは、猶予期間を認めて、その間に他の国からの調達ができるようにするためです。

原油価格への影響

OPEC諸国やロシアなどの産油国が1月から減産を実施していることもあり、今回のアメリカの発表で原油価格は急騰しました。

原油価格の世界基準となっている北海ブレント原油先物は4月下旬に74ドルと昨年11月以来の高値をつけています。

しかし、世界一の産油国であるサウジアラビアは世界の原油市場のバランスが崩れないよう他の産油国と連携していくことを表明しました。

イランの原油生産量が世界に占める比率は5%ちょっとくらい。

ちなみに世界のトップ10は以下のとおりです。(2017年)

1位 アメリカ(13.0%)
2位 サウジアラビア(12.8%)
3位 ロシア(12.6%)
4位 カナダ(5.3%)
5位 イラン(5.3%)
6位 イラク(5.0%)
7位 中国(4.3%)
8位 UAE(4.0%)
9位 クウェート(3.3%)
10位 ブラジル(3.2%)

イランが抜けた穴はサウジアラビアなどの中東諸国の増産、そしてなにより、いまやシェールオイルのおかげで世界トップクラスの産油国に復活したアメリカの供給で十分に賄えると推測します。

日本への影響

原油価格への影響は微小だとしても、日本がイランの原油に大きく依存していたとしたら、その影響は無視できません。

以下は日本が輸入している国のトップ5です。

1位 サウジアラビア(40%)
2位 UAE(25%)
3位 カタール(7%)
4位 クウェート(7%)
5位 イラン(5%)

イランは5位とはいえ、そのシェアは5%程度。他の国からの輸入で十分に補充できるレベルだと考えます。

それにしても、日本の原油輸入のほとんどが中東諸国に依存していることに驚かされます。5位までがいずれも中東諸国で、84%を占めています。

北米とロシアからもう少し輸入しておかないと地政学的なエネルギーリスクが大きいと思います。

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