『亡国のメガロポリス』(三橋貴明著)を読んでみた

東京



いろいろな本を読みますが、読書記録を残すことは少ないです。最近は、三橋貴明さんの本をよく読んでいます。

ところで、過去に読んだことを忘れてしまって、また同じ本を買った経験がある人も多いはず(多くないか・・・)。でも私はあります。ネットだと立ち読みできないので、気が付かずに注文して、届いてちょっと中身を眺めると「あれっ」ってことになるわけです。

そんなことにならないようになるべく記録でも残しておけばいいと考えたわけです。

さて、世の中には空気のようにまことしやかに本当だと信じられていることが、実は間違っているということは数多くあります。

三橋さんの言論はそういったことに多くの気付きを与えてくれます。空気で物事を判断せず、データに基づいて冷静な分析がされており、また視点も斬新かつわかりやすい言葉で説明してくれるので本当に役に立ちます。

「三橋TV」というネット番組でも積極的に情報発信しており、しゃべりも結構楽しい方です。もっと、地上波に出てもいいと思うのですが、正しいと思えば、場の空気に流されず歯に衣着せない発言をされますので、当たり障りなく、視聴率を稼ぎたい地上波には向いていないのでしょう。

今回読了したのが、『亡国のメガロポリス』。なかなかの名著だと思います。印象に残った点をまとめておきたいと思います。



 少子化の原因


結婚している女性一人当たりが生む子どもの数は1990年を底に回復傾向にある。にもかかわらず、少子化が止まらないのは婚姻率が低下しているためである。

有配偶者率は1980年に64.2%だったが、2015年は56.3%となっており、一貫して下落傾向にある。少子化は未婚率の増大が原因である。

結婚しない理由は2つ。

(1)所得水準の低下

30歳代で年収300万円未満の人は1997年には5%程度だったが、2012年には10%程度まで上昇している。もはや「結婚」はぜいたく品と化している。また、正社員の有配偶者率は30~34歳で57.8%であるのに対し、非正規雇用者では23.3%に留まっている。

(2)東京一極集中

東京は保育所の数が不足し、子育てのコストも高い。また、祖父母が地方に住んでいることが多いため、子どもの面倒を見てもらうこともできない。そのため、東京に住むと子どもが生みにくくなる。にもかかわらず、若者の東京への流入がいるため少子化が止まらない。

 少子化と経済成長


少子化による生産年齢人口の減少により、日本はますます人手不足が深刻化していく。

これにより賃金は上昇し、雇用が安定化していくことにより結婚が増える。結婚が増えれば子どもが増え、少子化傾向に歯止めがかかる。

 移民受入と経済成長


上記のサイクルを破壊するのは移民受入である。

人手不足の解消は本来、新技術の開発等による生産性向上により行われるべきであるが、安易な移民受入は生産性向上のための意欲を失わせる。

その結果、労働生産性による所得向上が起こらず、所得水準も向上しない。

高度経済成長期において、日本の労働生産性は大いに向上した。それは移民受入をしなかった、あるいはできなかったからである。

旧西ドイツも戦後、高度成長したが、1950年代から生産性向上のペースが鈍った。それは人手不足を移民受入という方法で解決しようとしたからである。

日本は人手不足により、再び労働生産性の向上のチャンスが到来しているが、移民受入による人手不足解消はそのチャンスを破壊する。

 デフレと人口減少


デフレの原因は人口減少にあると広く信じられているが、デフレの原因は人口減少ではない。事実、日本より速いペースで人口が減少している国は世界に20か国以上あるが、デフレに陥っているのは日本だけである。

デフレが発生する条件は2つ存在する。

(1)バブルの崩壊

借金による土地などへの投機が加速してバブルが発生し、その後、バブルが崩壊した場合、人々は借金返済へと走り出す。なぜなら、資産価格が下落しても、借金は減らないからである。

そして、不景気になるため、人々は不安にかられ、せっせと預金をする。借金返済も預金も人々にとっては合理的な行動であるが、消費でも投資でもないため、誰の所得にもならない。

(2)政府による増税、緊縮財政

バブルが崩壊して、人々の所得が増えない中で、政府が増税をしたり、財政支出を削減したりすると100%デフレに陥る。

民間が消費や投資を減らす中で増税すれば、さらに消費は減少するうえ、政府までもが支出を減らせば消費はますます冷え込んでデフレが加速する。

 補足


上記の内容はあくまで、私の印象に残った事柄であって、著者が本の中で言いたかったこととの重要度が一致するわけではありません。

『亡国のメガロポリス」という題名のとおり、著者は東京への一極集中を問題視しており、地方への人口や産業分散が重要であることを言いたかったことは間違いありません。

そのためには、積極財政による地方への投資が不可欠なのに、現状の政府の対応はまったく逆方向であることに警鐘を鳴らしているわけです。

詳細は実際に本をとって読んでみてください。目から鱗となる話があると思います。近日中にはMMT(現代貨幣理論)に関する本も出版するとのことなので楽しみで仕方がありません。(本とともに三橋TVもお勧めです。)

最近、三橋さんの本にはまっており、洗脳されそうです。というかされています。偏った意見とならないためにも投資同様に分散した読書が必要だと感じている今日この頃です。

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