「働き方改革」と日本の国力について




2018年1月27日放送の「朝まで生テレビ」でのイギリス出身で日本在住の経営者であるデービッド・アトキンソン氏の日本の労働生産性に関する発言が非常に印象的かつ的確と思いましたのでここに紹介してみます。

発言要旨は以下のとおりです。
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・日本の労働生産性は先進国で最も低い。

・ワールドエコノミックフォーラムによれば日本の人材の質は世界4位である。しかし、労働生産性は世界28位となっており、そのギャップが世界一大きい。

・世界4位の人材から28位の労働生産性しか生み出せない経営者は奇跡的なほど無能である。

・日本がGDP世界3位になっている要因は単に人口が多いという要因による。よって人口が減ればGDPは減っていくだけ。しかし、経営者はいまだ人口増加を前提とした戦略から変換できていない。

・人口減少時代にあっては低価格高品質の路線を改め、付加価値をつけた高品質高価格路線に走るべき。そうすれば社員の給与も上げられる。

・かつて1300年代にペストが大流行し、人口が減少した時は労働者黄金時代となり、給与が2.2倍になった。日本の労働人口の減少もチャンスと捉えられる。

・日本のGDPの71%を男性が創出しているが、社会保障の60%は女性が得ている。払っていないのに恩恵だけ受けている人が多い。第3号被保険者という制度が問題である。

・日本も女性の社会参加が進んできているが、パート等、給与水準の低い形態での参加が多い。これが日本の労働生産性が上がらない一つの要因となっている。





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現在、日本ではワークライフバランスなどといった働き方の改革を進めている企業が多いかと思います。しかし、実態としては単なる残業禁止であったりする例が多いのではないでしょうか。ここで、働き方改革による労働時間の減少をカバーして労働生産性を向上させるための成功シナリオと失敗シナリオを考えてみました。

【成功シナリオ】

・高効率なイノベーション的改革により、高付加価値商品の開発が進む。あるいは少ない労働で生産を多くできる。これにより社員の給与も増える。

・社内に具体的な改革の提案がボトムアップで持ち上がり、良いものはすぐに取り入れられていく。

【失敗シナリオ】

・今までの成功が単に長い労働時間に支えられていた場合、労働時間が減るだけの改革以外が進まない。結果的に商品の品質が下がる又は生産量が減るだけとなり、それによって社員の給与も減る。

・新しい提案などをしてそれが採用されたりしたものなら残業禁止を守れなくなるので、ひたすらルーティンワークを黙々とこなすのみの社員ばかりとなる。社内のコミュニケーションも殺伐としたものとなり、結果的に時代から取り残されていく。

どうも後者の企業のほうが多いような気がしてならないのは気のせいでしょうか。残業代は減る、企業の競争力が徐々に劣化する、それに消費税のアップが加わるとなるとどうもこの先、株価の動きも心配です。とりわけ伝統的な企業にそのリスクが大きいとも思います。


デービッド・アトキンソン 新・生産性立国論 人口減少で「経済の常識」が根本から変わった [ デービッド・アトキンソン ]





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