スターアジアがさくら総合リートを敵対的買収!?

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Jリート銘柄のひとつであるスターアジア不動産投資法人(3468)が同じくJリートのさくら総合リート投資法人(3473)に合併を提案したとして話題になっています。

なんと偶然、小生は両銘柄ともに保有しており、ちっぽけながら双方の利害関係者なのです。

刺激的なのは、スターアジアは事前にさくら総合と同意をしていないという点です。同意を得ないまま、勝手に提案をしたというわけです。

これを受け、さくら総合の投資口価格が上昇しています。さくら総合は数少ない含み損銘柄でしたが、一気に含み益銘柄に変身してしまいました。うれしい限りではありますが、今後の行方が気になるところです。

すでにスターアジアは買収目的会社を通じて、さくら総合の投資口を3.6%ほど保有しており、投資主として、投資主総会の開催を求めています。



 合併提案の理由


スターアジアのホームページにさくら総合への合併提案の理由が掲載されています。そこにはさくら総合の投資法人運営に対する批判が述べられています。

批判内容は以下のようなものです。

・新たな物件を取得せず、売却のみ行ったため、分配金が100円減ったこと

・上場以降、2物件を売却したが取得したのは1物件のみであり、資産規模が減少していること

・資産運用報酬がJ-REIT平均を上回る、また平均借入金利(0.87%)がスターアジアの平均借入金利(0.63%)を上回ること

・物件売却益が一部を除き分配金として投資主に還元されず、また業績予想を下方修正しているにもかかわらず、資産運用会社が物件売却報酬を受領していること

そして、合併により以下のようなメリットがあるとしています。

・規模拡大による運用の効率化、管理コストの削減などにより分配金の上昇が期待されること(短期的には100円)

・スターアジアグループのサポートを活用し、継続的な外部成長の実現が可能になること

・資産運用報酬および平均借入金利が低減されること(短期的には1億円以上の削減)

 さくら総合リートの反論


合併提案の後、しばらく沈黙を保っていたさくら総合ですが、5月17日付で今回の合併提案に関する反論をホームページに掲載しています。

その内容はこれまたなかなか刺激的で、合法的戦争と化しているかのようです。なにしろパワーポイントには、「WARNING」の文字が大々的に表示されています。

反論内容は概ね以下のようなものです。

・スターアジアの提案は明らかに投資主を欺くものであり、合併提案を装った敵対的買収であること

・合併の承認には投資主総会において、投資主の3分の2(約67%)以上の賛成が必要であるにもかかわらず、過半数(50%)の賛成のみを得て、合併を強引に成立させることが提案の真の目的であること(※)

・合併を強引に成立させることのみを目的としたこのような行為は、投資主価値を著しく毀損させ、投資主に不利益を被らせる可能性があること

・同一の資産運用会社に運用されることになれば、スターアジア側の利益に一方的に寄せた条件での合併が行われるリスクが非常に高いこと

(※)については若干の補足が必要でしょう。今回の提案は、投資主総会で現執行役員を解任するとともに現資産運用会社との契約を解約して、執行役員と資産運用会社を変更することにあります。

直接的に合併承認決議のための投資主総会の開催を要求しているのではなく、役員と資産運用会社を入れ替えることで、合併せざるを得ない環境に持っていき、再度、投資主総会で合併承認を得るというスキームです。

このスキームについて、本来は、合併のための決議をすべきであって、スターアジアは卑怯であると主張しているわけです。

もっともこれにはスターアジア側にとっても理由があります。リートの投資主はその投資口持分が過半数となると、受け取る分配金に対する税負担が増してしまいます。そのため株式会社が行うようなTOB(株式公開買付)による買収が困難であることから、今回のようなスキームとなったと考えられます。

いずれにしても、さくら総合の怒りと反発は相当のようであり、かなり強烈な批判を展開しています。(原文一部抜粋)

「本提案は悪意と欺瞞に満ち溢れており、実体を伴わない内容です。本提案では、合併によってさくら総合リート投資法人 の投資主にもたらされる利益とその根拠について具体的に言及されておらず、したがって合併提案の名に値しません。」

 今後の展開


2019年7月に開かれるであろう投資主総会で、上述の2つの提案が投資主総会決議に諮られます。

この総会で過半数の賛同が得られれば、執行役員と資産運用会社が変更されることになります。その後、合併契約締結に向けて諸条件の協議がなされ、今秋にも合併契約を締結します。

そして、2019年の年末近くに、両投資法人の投資主総会で合併の承認を受けたうえで、2020年2月あたりに合併という流れになるようです。

しかし、これは7月に開催予定のさくら総合の総会で過半数の賛同を得られればの話。今後、7月の総会での票取り合戦が繰り広げられることになります。

 私見


小生、さくら総合については、そのパフォーマンスに若干の不満がありましたので、今回のスターアジアの提案に共感を感じるところがあります。しかし、まだまだ情報不足かつ分析不足です。

たまたま今回、両方保有していたので、どっちに転んでも良いのですが、さくら総合のみ保有していたら安穏としていられないでしょう。合併比率などで不利な取扱いをされてはかないませんし。

7月の投資主総会の招集通知が私のところにもいずれ届くでしょう。それを読んで、賛成するか反対するか決めたいと思います。私の票などで結論は変わりませんが・・・。今後の展開に目が離せなくなってまいりました。

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