中間層は実のところ没落していなかった!?

チェス



認知的不協和という言葉があります。自分が考えていることや事実が、もう一つの考え方や事実と矛盾する場合に起こる苦しみです。

突き詰めて考えて答えを出し、矛盾を解消できれば良いのですが、それはなかなか難しいのが世の常であり、なんとか自分をごまかしてやり過ごすことが一般的ではなかろうかと思います。

ところで下のグラフを見てください。このグラフを見ると認知的不協和に陥る人が多いと思います。

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(出所:社会実情データ図録)


 認知的不協和の発生要因

バブル崩壊後、デフレが進んで国民間の経済格差は広がっており、中産階級は減っているというのが、ごくごく一般的なものの見方ではないでしょうか。

ところがです、上のグラフを見る限り、バブル期よりも、我が家は中流であると考えているご家庭はむしろ増えているのです。(水色部分

上流や中の上と考えている人は顕著に増えています。(左側、薄い水色部分)

下流と答えた人もバブル期よりも減っています。(オレンジ色部分)

このグラフが正しいならば、日本人の中流意識はむしろ高まっているということになります。

しかし、これは世の中の報道から受ける印象とはまったく逆です。そして認知的不協和に陥るのです。

これはいったいどう考えれば整理がつくのでしょうか。

 個人的な不協和音解消のための考え

今のところ、私の中では一つの整理しか見当たりません。

皆が等しく貧乏になったので、自分が貧乏になっているのに気が付かず、相対的にみれば自分はまだ中流層の中にいると考えている人が多いということです。

では上流だと考えている人が増えているのはなぜでしょうか。

やはり格差は拡大しているのです。貧乏になる人が大量にいる中で、現状維持ができている人は、相対的に自分は上流になったと感じてしまうのだと思うのです。

自分は何もしていないのだが、周りが地盤沈下したために自分が高い位置にいると錯覚するということでしかないということです。

下流だと考えている人が減っているのはなぜでしょうか。

バブル期は株や土地、ゴルフ会員権などの資産価格が暴騰しました。そのため、その恩恵に被った人はめちゃくちゃ大盤振る舞いして目立ったため、それほど貧乏では無い人まで、自分は下流であると勘違いをしてしまったのだと思います。

すべては相対的な概念であり、絶対的なものなどないのです。

こう考えないと私の中にある認知的不協和は解消されません。正しいかどうかは定かではありませんが・・・。

なにか目から鱗の自説があればぜひ教えていただきたくお願いします。

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