スターアジアによるさくら総合リートの敵対的買収のその後

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スターアジア不動産投資法人(3468)によるさくら総合リート投資法人(3473)への敵対的買収の目論見が発表されてから1か月ほどが経過しました。

その後の動きはどうなっているのでしょうか?

今回の買収劇にはJリート固有の問題がはらんでいるようです。

それはどんな問題なのでしょうか。

 投資主総会での議決権行使の取扱い

Jリートは会社型の投資信託であり、「投資信託及び投資法人に関する法律」(いわゆる投信法)により規制されています。

投信法では、投資主総会において投資家が議決権を行使しない場合、その投資家は賛成したとみなされることになっています。

つまり、投資主総会での賛成が20%、反対が40%でも、議決決を行使しない40%の投資主分は賛成とみなされてしまうので、賛成が60%、反対が40%となり、賛成多数ということになってしまうわけです。

さくら総合リート投資法人の投資主は個人投資家が多く、議決権を行使しない投資主が多いと予想されるため、さくら総合にとっては不利に働くというわけです。

(それでも私は、総会が開催されれば議決権行使しますよ。どちらの味方になるかはまだ未定でございますが・・・。)

ところで、一般の株式会社の株主総会では、会社法により、議決権を行使できる株主の議決権の過半数を定足数とし、出席株主の議決権の過半数により決議することとされており、議決権を行使しない株主分が賛成になるということはありません。

このため、投資主総会が開催されれば、さくら総合リート側にとっては不利になるというわけです。

 投資主総会は本当に開催されるのか?

スターアジア側は7月に投資主総会が開催されることを前提に考えているようですが、そもそも開催されるかどうかが定かではありません。

スターアジアは少数投資主の権利として、さくら総合リートに投資主総会開催の請求をしても、当然にさくら総合リートは応じません。

そこでスターアジア側は5月に関東財務局へ総会の招集許可の申し立てをしています。

投信法では、少数投資主が総会の開催を請求しても、投資法人が応じない場合、総会開催の許可申請を裁判所ではなく、財務局に請求する点で一般の事業会社とこれまた異なります。

そして、今のところ関東財務局はその結論を出していません。財務局は双方から、書面および口頭での説明を受けたうえで、財務局内で検討して結論を出すという流れです。

スターアジア側による総会開催の申し立てが、権利の濫用とみなされるようなことがあれば、総会の招集許可が出ないということも考えられます。

さくら総合側にとっては、ある種、財務局に命運を握られているといってもいいでしょう。総会が開催されれば、前述のとおり、議案が賛成に持ち込まれる可能性が高いからです。

まずは、総会が開催されるかどうかが一つのヤマ場となります。目が離せない展開です。

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