AIが予測するマンション市場の近未来

マンション



2019年6月8日の現代ビジネスに興味深い記事が掲載されていました。

表題はこうです。「2025年、マンションの9割近くが値下がりする…AIが衝撃予測 一方、大きく値上がりするマンションも」

確かにここ数年のマンションの値上がりは不可解なものでした。明らかに異次元金融緩和でさまよえるマネーが不動産市場に流れ込んできたというのが実態ではないでしょうか。

興味深いところは、AIが将来のマンションの価格動向を予想しているという点です。もちろんAIも当てにはなりませんが余計な感情や希望的観測を交えないドライな分析には耳を傾ける価値があろうというものです。

それではAIが予想するマンション動向の近未来やいかに?



 使用されたAIについて


「株式会社おたに」という会社(私知りませんでした。)が提供する「不動産価格予測サービス」に搭載されるAI「GEEO」を使った分析だそうです。おたにという会社は横浜で2010年に設立された新しい会社で、クラウドサービスの提供などを行っているIT企業です。

「GEEO」というサービスは無料で日本全国の不動産の参考価格が見られるサービスです。会員登録が必要ですが、お手軽に自分のマンションの価格の目安がわかるという優れもののようです。

さて、「GEEO」君が予測するマンション市場の近未来は・・・?

 現在の状況


予測の前提となる現在の状況はどうなっているのでしょうか。

現状、都心部におけるマンション市場は資材価格や人件費の上昇で、価格は高騰しています。

しかし、現在のマンション価格は、二極化しており駅からの距離が近い好立地のマンションが高止まりしている一方、それ以外のマンションは在庫が増え始めており、価格の見直しが進んでいます。

 AIが予測する2025年のマンション動向


それでは今後のマンション市場動向に関する予測のポイントを挙げていきましょう。

・五輪を前に供給がピークに達しマンション価格は下落を始める。9割近くのマンションが値下がりし、25年までこの傾向は続く。

・立地条件や利便性による価格差はさらに大きくなっていく。

・現在、空き家問題は一戸建てが中心だが、2025年にはマンションの空き部屋問題が顕著となる。

・消費税増税による駆け込み需要が発生するが、その後の販売低迷は避けられない。

・2027年の東京-名古屋間のリニア開通により、東京-名古屋間は40分と名古屋は東京通勤圏になり名古屋のマンションは上昇する。一方、価格が高騰してきた東京では、2025年には1~2割価格を落とすマンションが多くなる。

・千葉の物件は、通勤圏とはいえ東京まで1時間近くかかるため価格は落ちる。

 考察


金融の過剰流動性に支えられたマンション価格の高騰も賞味期限はあとわずかといったところでしょうか。5年後のマンション市場は選ばれるべき魅力のあるマンション以外はほぼ値下がりすると考えておいたほうがよさそうです。

Jリート投資においても、レジデンス系は避けておいたほうが良いのでしょうか。しかし、一般的にレジデンス系は不景気に強いという特徴もありますので、非常に悩ましいところです。

なにしろオフィス系も現在、強気相場真っ盛りですから、Jリート投資は石橋を叩きながらという姿勢が欠かせないと思います。

いざというときに不動産種類を変更できる総合型のJリートが安全パイかもしれません。

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