『財務省が日本を滅ぼす』(財政破綻の2つの条件)

夕日



作家、エコノミストの三橋貴明さんが2017年に出版した「財務省が日本を滅ぼす」(小学館)は日本が何たるか?を知るのには必読の書といえると思います。

読み進めていくにつれ、日本のからくりが目に見えてくるようであり、このブログにその要旨をまとめていきたいと思います。

一度にはとても書ききれないので、シリーズのように記していきます。

今回は昨今はやりのMMT(現代貨幣理論)にも通じる話です。MMTがいつから世に出たかは定かではありませんが、根底に流れている考え方はほとんど同じです。

財政破綻するための2つの条件について

日本では財政破綻論がまことしやかにささやかれ、財政破綻がもはや間近に迫っているかのようです。

ところで、政府が財政破綻するためには以下のいずれかの条件を満たさなければなりません。

(1)国債金利が急騰すること

(2)政府の負債が自国通貨建てではないこと


です。

2012年のギリシャ政府の財政破綻を例にとれば、財政破綻前、ギリシャの10年もの国債の金利は40%を超えました。

また、ギリシャはユーロ加盟国であり自国通貨を持たないため、ギリシャ政府の抱える債務はすべてユーロ建てでした。

ユーロを発行できるのはECB(欧州中央銀行)のみであり、ギリシャは勝手にユーロを刷って、借金返済をすることができません。

それが、ギリシャ政府財政破綻の原因です。

翻って、日本はどうか?

日本の10年もの国債の金利は急騰どころか急落が長らく続き、ゼロ近辺です。

また、日本政府の負債は100%自国通貨建てでもあります。

(1)の条件も(2)の条件もまったく満たしておらず、日本政府は財政破綻するような状況ではないといえます。

 考察

市場は冷酷で、本質を見抜いています。日本政府が本当に財政破綻をするのであれば、日本の金利は急騰し、円はひたすら安くなっていくでしょう。

ところが、実際はどうでしょうか。長期金利はなんとマイナス。満期まで持てば損をしてしまうのに日本国債を買いたいという人がいるのです。

円も110円を割り込み円高傾向です。有事の円買いっていう言葉があるくらいで、いかに日本円が信認されているかわかろうというものでしょう。

それなのに、大手メディアや政治家は財務省の洗脳や圧力に負け、財政破綻論を煽りまくり、増税、緊縮財政路線を突っ走って、結果的に日本をデフレ脱却から遠のかせています。

この現状はそう簡単には打破できそうもありませんが、少しでも正しい情報を知っておく必要があると確信するのであります。

そういえば、いつの間にか日本経済新聞の1面に載っていた10年もの長期金利の欄が無くなってしまいました。財務省を忖度する新聞としては日本国債がマイナス金利でも買われてしまうということは不都合な真実なのかもしれません。

つづく。

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