苦境の証券会社、中小型株に活路を見出せるか

日経平均の動きが鈍くなっています。いわゆる凪相場です。
最近は持ち株を見てもあまり面白くない。動きが小さいし、買うタイミングとも思えないし・・・。
証券会社にとっても凪相場は逆風です。相場が激しく動いてくれないと売買が盛り上がらないからです。とりわけ大型株の動きが鈍くなっているのが現状です。
そこで大型株が駄目なら中小型株でということで、中小型株に注目する証券会社が多くなってきているようです。
| 中小型株へ注目する理由
個人的な考えとして、大型株の動きが鈍くなっているため、ゲリラ的に中小型株への投資が既に増えて盛り上がっているのだと思いました。
しかし、東証一部と東証マザーズの売買代金の推移を調べてみると必ずしもそんなことはなく、私の仮説は私自身であっさりと却下されたのであります。


大型株の売買代金は比較的安定しているのに対し、マザーズ市場など中小型株の売買代金は株価の動きと同様に浮き沈みが激しいことがわかります。
中小型株への注目の要因は、世界的に景気後退懸念が強まる中、景気の影響をより大きく受ける大型株よりも、景気とは無関係に成長する可能性がある中小型株を発掘したいというニーズが増えているからです。
とりわけ、海外の投資家はその傾向が強く、そのニーズに応えているというのが実態です。
中小型株の取引に強い、いちよし証券は、調査対象とする会社をこの5年間で4割増やしたそうです。その多くが時価総額が2,000億円以下の銘柄です。
このような動きは他の大手証券会社にも広がっており、今後、アナリストがカバーする会社が増えることから、今まで見向きもされなかった中小型株に資金が集まる可能性があります。
| 中小型株のパフォーマンス
2014年から2018年にかけ、TOPIXは15%上昇していますが、東証規模別株価指数で見ると中型は23%、小型は29%の上昇と相対的に大型の上昇率を上回っています。
中小型株は内需関連株が多いことから、世界景気の影響を受けにくく、米中貿易戦争の被害もより小さいというわけです。
世界経済が混迷を深めれば、輸出系大型株ほどそのあおりを受けることになりますから、成長余力のある中小型株への投資は理にかなっていると考えられます。
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