Jリート市場に割高感が漂ってきた

ビル



東証リート指数が11年半ぶりの高値をつけています。11年前といえば、リーマンショックの前。ようやくそこまで戻ったかと考えるのか、再び危ない水準にまで駆け上がってきたと考えるのか・・・。

Jリート市場の現況

Jリート市場では現状、大型から小型まで幅広く物色されており、年初来高値をつける銘柄が相次いでいます。買いの主体も個人投資家から、外国人投資家、金融機関と幅広く、売りが出ないといった様相です。

平均の分配金利回りは4%を下回ってきました。マイナス金利下においてはまだまだ魅力的といえば魅力的な水準ではありますが一頃に比べると色あせてきた感があります。

小型の高利回り銘柄を探してももはや6%以上のものが見当たらない。しばらく前までは6%以上の銘柄がごろごろ転がっていたのにです。

ちなみに東証1部の株式の配当利回りは約2.5%であり、この利回りを保つことができれば、株価の暴落もそうそうには起こりそうもありません。

株価動向は今後の業績次第でしょう。米中貿易戦争の影響と消費増税の影響がどの程度業績に響いてくるかが、今後の株価を占う鍵になりそうです。

Jリート市場は割高なのか割安なのか

リートの価格が割高か割安か表す指標のひとつにNAV倍率があります。

NAV倍率・・・
投資口価格を不動産の時価評価に基づく投資口1口あたりの純資産価格で割ったもの。株式投資におけるPBRの概念に近い。NAV倍率が1倍を超えると不動産投信の実際の価値よりも市場での価格が高いと考えることができる。


現下のJリートのNAV倍率は1.17倍となっており、時価評価した不動産価格よりも高い価格でリートの値が付けられていることになります。

過去のNAV倍率の推移を見ると1.17倍という水準は極端に高いとまではいえないレベルですが、1.5倍くらいがピークといえそうです。

NAV倍率の割高感を正当化できるのは、今後のJリートの収益力の成長如何でしょう。現状、オフィスは満杯で空室率が低く、賃料は5年以上にわたって上昇中です。

しかし、いつまでもこのような状況が続くとは思えず、Jリートは天井圏にあると考えるのが妥当ではないでしょうか。異次元金融緩和は今後も継続されそうなので、暴落は考えにくいですが、これ以上高値を追っていくのはいささか危険な気配です。

安全パイを狙うのであれば、日銀が金融政策として買い入れることにしている格付けがダブルA以上の銘柄くらいでしょうか。無論そういった銘柄は既に買われており、高い利回りは期待できません。

個人的にはJリートは値上がり益を期待していませんので、売却する気はさらさらありません。売ったところで新たな投資先も見当たらないし、値下がりを覚悟しながらの放置プレーです。

ただ、今買う気にもなれないといったところです。休むも相場。来年まで寝て待つこととしましょう。

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