MMTの真打!ステファニー・ケルトン教授登場

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MMT(現代貨幣理論)の代表的論者であるニューヨーク州立大学のステファニー・ケルトン教授が来日しました。

唯一のテレビ出演

数百人を集めたシンポジウムが開催されましたが、テレビ中継などはなく、残念ながら参加者のみしかその内容は聞くことができませんでした。

しかし、今回の来日で唯一、インターネットTV放送である「三橋TV」に出演したため、経済評論家の三橋貴明さんとの対談を見ることができました。



インタビューの内容は、MMTの内容をご存知のかたであれば特段目新しい内容ではないかもしれません。

三橋貴明さんや京都大学大学院教授の藤井聡さん、あるいは経産省の官僚で評論家でもある中野剛志さんなどの主張を再確認できるといったところでしょうか。

印象的な点(信用創造)

話の内容でわかりやすかったのは、銀行による信用創造によって通貨の量が増えるという点。

万年筆マネーと称されているものです。

「お金を貸したい人が出来たから、明日、あなたの預金からその分引かせていただきます。」こんなことを銀行員は言わないというくだりです。

実にわかりやすい。

銀行は自己資本規制比率の範囲内であれば貨幣をどんどん作り出すことができるということでしょう。預かっている預金の量は関係ありません。預金の中から貸し出しをしているわけではないのです。預金があるから貸し出しができるということでもないでしょう。

実際問題、バブル時代に日本の銀行は預金よりも貸出金のほうが多い、いわゆるオーバーローン状態でした。それだけ資金需要が旺盛だったのです。

銀行は資金繰りさえつけば貸し付けで市中のお金をどんどん増やすことができるのです。

あとは、経済全体のバランスが大事であって、政府の財政赤字のみにフォーカスすることの無意味さも理解できました。

税金の役割

やはり、論争となりそうなのは税金についてでしょうか。政府が国債を発行し、それを中央銀行が買い取れば、税金など取る必要がなくなってしまうのではないか?という素朴な疑問です。

これに対しては当然、否定の論理が展開されています。

具体的に税金の役割としては、インフレの制御、所得の再分配といった説明がなされています。政府支出のために税金を取っているのではないという言葉が印象的です。

日本は今、消費増税を控え、岐路に立たされていると感じます。ここで財政縮小路線をとればデフレからの脱却どころか、再びデフレへ逆戻りしていくはずです。

誤った政策で20年の時を無駄にしてしまいました。これ以上、一刻の猶予もないと思います。

ケルトン教授。今回は第一弾ということで、第二、第三弾が楽しみです。

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