さくら総合リート投資法人、投資法人みらいと合併合意。その検証

さくら総合リートは7月19日付で、ホワイトナイトたる、投資法人みらいと合併合意に至ったと発表しました。以下はその概要です。
| 概要
・さくら総合リートは投資法人みらいと、合併に関する基本事項を定めた基本合意書を締結した
・さくら総合リートは、2016年9月の上場以降、当初計画に沿った成長が実現できていない等の課題認識の下、将来的な合併の可能性も含めた検討を行っていた
・スターアジア側の提案は、利益相反状況が生じる可能性があると考えられ、スターアジアグループ以外のファンド合計20社程度に対し、合併を含む提携その他の提案の可否を打診した
・投資法人みらいは、2016年12月の上場当初から経営戦略上、リートの合併の検討を続けており、今回さくら総合リートがスターアジアグループ以外の第三者との提携等を模索する中、さくら総合リートとの合併を検討するに至った
・投資主総会開催日 2019年8月30日
(さくら総合リートの招集する投資主総会において投資法人みらいとの合併契約の承認の議案を上程する予定)
・投資主総会において合併契約に係る議案の特別決議による承認が前提
・合併効力発生日 2019年11月1日(予定)
・投資法人みらいを存続法人とし、さくら総合リートを消滅法人とする吸収合併方式とする
| スターアジア側の動き
7月17日付でスターアジアグループは総額2億円を上限とし、さくら総合リートの投資口を市場で買付けることを決定したと発表しています。
その目的は、さくら総合との合併の提案において、さくら総合リートの投資口を追加取得することにより、さくら総合リートの投資主価値最大化を切望しているとしています。
また、スターアジア側の戦略により、さくら総合の投資主価値が向上すると確信しており、その確信を行動に移して、より本気度を示したというところでしょう。
| 個人的見解
さくら総合が発表した内容は取って付けたような感が強いといった印象を受けます。スターアジア側に不意打ちをくらったので、あわてて作文したという感じです。
スターアジア側が開催する投資主総会とは別の投資主総会を同じ8月30日にぶつけてきたのもいささか汚いやり口に思えます。もっとも敵対的買収を食らえば、なんでもあり状態に陥るのも無理がないのかもしれませんが・・・。
とにかくスターアジア側による、さくら総合主導の投資主総会の差し止め請求の結論待ちです。司法の判断次第ですが、同じ総会で戦わなければ意味ないでしょう。
感情的には、今のところスターアジア側の味方にならざるを得ないといった印象。裁判所の判断を待つことにいたしましょう。
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