世界の緩和マネーはアジアのリートにも波及中

地球



Jリートが高値圏であるため、代替投資先としてアジアのリートなどはどうかと思い、調べてみました。

とはいうものの、リートへの直接投資は情報も少なく、また危険すぎるのでファンド・オブ・ファンドにするのが安全策でしょう。でもそもそもそんな銘柄はあるものなのか?



アジアのリートで運用するファンド


公募型の株式投信と上場ETF型の投資信託ともにアジアのリートで運用するファンドがあるようです。

公募型でも毎月決算型はちょっと敬遠です。毎月分配型は収益以上の分配を行うケースが多いので、投資元本部分が知らぬ間に減少している場合が多く、複利効果が望めませんから。

投資するとしたら、年1回決算型を検討してみるべきだと思います。

アジア好利回りリート・ファンド(年1回決算型)


まずは公募型。三井住友DSアセットマネジメントが運用会社です。アジア各国・地域(オセアニア含む)の上場リートに投資するファンドです。為替ヘッジは行いません。

このファンドはケイマン籍の外国投資信託を通じてアジアの上場リートに投資をするファンド・オブ・ファンズです。

アジアは人口の増加率も高いため、不動産の需要が大きいので需給は今後とも逼迫するものと思います。

投資先の約半分はシンガポール。オーストラリアが約3割。香港が1割強。タイとマレーシアが少々といったポートフォリオとなっています。

セクター構成としては、小売が約3割、産業用施設が約2割、複合が2割弱、オフィス1割強といったところ。オフィスの比率が低いのが印象的です。

リートの配当利回りとしては、シンガポールが5.3%、オーストラリアが4.6%、香港にいたっては3.2%と日本より低い・・・。思ったほどの高利回りは期待できそうにありません。ちょっと意外です。

それにしても驚いたのは毎月決算型の純資産が1,600億円以上なのに、1年決算型の純資産は30億円程度であることです。いかに日本人が毎月分配型を好んでいるかを象徴しているようです。もっとも設定された時期が異なるので同じ土俵では比べられませんが。

あと、気になったのは信託報酬の高さです。商品性からコストが高いのはわかりますが、年1.8%くらいともなるといささか高いという印象。もっと高利回りが期待できるのならともかく、収益のかなりの部分が信託報酬で消えてしまうのは投資家にとってはつらいことです。

上場インデックスファンドアジアリート(1495)


東京証券取引所に上場している上場投資信託(ETF)もあります。日興アセットマネジメントが運用する上場インデックスファンドアジアリート(1495)。

1株12,000円ほどで、売買単位は10株単位です。時価総額が20億円弱とかなり小規模な銘柄です。

こちらは純粋にアジアだけで、オーストラリアは含まれていません。投資先はシンガポールが6割以上。続いて香港が2割弱、中国が1割強、その他マレーシア、インドネシアといったところです。

やはり上場型はコストが低い点が魅力です。信託報酬は年0.7%程度に抑えられています。年4回決算で3か月ごとに分配金が出ています。分配金利回りはざっくりとですが4%弱です。

アジアのリート市場の動向


世界的な金融緩和で資金がアジアのリートにも流れ込んでおり、シンガポールや香港などのリート市場も2018年末から2割以上も上昇しています。

この上昇率は日本を上回るものであり、世界平均をも上回ります。いささか上昇ピッチが早すぎるといった印象です。下のチャートを見れば視覚的にも明らかしょう。

(上場インデックスファンドアジアリート(1495))
20190722asiareit.jpg

価格上昇率が高いため利回り的にもそんなに魅力的には思えません。

今後、世界経済が波乱に陥れば、円高にシフトする可能性も高く、為替リスクも上乗せされるとなるとちょっと手は出しにくく、様子見せざるを得ないというのが個人的な結論です。

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