委任状争奪合戦始まる(さくら総合リート法人の分捕りあい)

さくら総合リート投資法人から委任状提出の依頼状が郵送されてきました。
いよいよ敵対的買収側であるスターアジアグループとホワイトナイトである投資法人みらいとの委任状争奪合戦(プロキシーファイト)が始まりました。
| さくら総合リート投資法人からの委任状提出依頼
今回は、さくら総合サイドから手紙が届いており、さくら総合からの依頼文とともに投資法人みらいからの依頼文も添えられております。手紙の内容は一言でいえば委任状による議決権行使依頼です。
そして、今回届いた委任状はスターアジア側が8月30日に開催する投資主総会での議案に対する委任状という点に注意が必要です。
スターアジア側の主催する総会においてはさくら総合と投資法人みらい側が提案する
・投資法人みらい側の執行役員の選任
・投資法人みらいを運用している三井物産・イデラパートナーズとの運用委託契約の締結
についての議案があり、その2点については賛同してほしいと要請しているのです。
なお、スターアジア側の提案する議案が4つあり、
・さくら総合の執行役員の解任
・スターアジア側の執行役員の選任
・現在のさくら総合の運用会社の運用委託契約の解約
・スターアジア投資顧問との運用委託契約の締結
となっています。こちらには反対してほしいということになります。
賛否を示さずに返送すれば白紙委任をしたとみなされます。委任状の提出期限は8月22日。まだまだ十分に考える時間があります。
| スターアジア側の今後の動きは・・・
今度はスターアジア側から、さくら総合側が同日に別途開催する予定である総会の議案に対する委任状が届くことになりそうです。
その内容は当然、投資法人みらいとさくら総合の合併について反対をしてほしいという委任状になっているはずです。
さくら総合側に委任すれば、投資法人みらいとの合併に賛成することになり、スターアジア側に委任すればスターアジアとの合併に賛成することになるわけです。
なお、正式な総会招集通知と議決権行使書は別途送られてくるとのことです。
| 投資法人みらいとスターアジアとの合併の比較
さまざまな観点があるのでしょうが、さくら総合側は
・投資法人みらいと合併したほうが規模が大きくなること
・東京圏でのオフィス物件の比率が投資法人みらいと合併すると46.9%となるのに対し、スターアジアとでは28.8%にとどまること
・スポンサーに三井物産グループがついていること
をメリットとして全面的に押し出しています。
あと、違いとしては、投資法人みらいはJCRからA+、R&IからAの格付けを取得しているのに対し、スターアジアは格付けを取得していないといったところでしょうか。
現状、投資法人みらい側に分がありそうな気配ですが、スターアジア側の対応を待ちたいと思います。
【関連記事】 さくら総合リート投資法人、投資法人みらいと合併合意。その検証
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