バブル崩壊の瞬間を示すミンスキー・モーメントとは

ドミノ



バブルははじけてみないとそれがバブルであったかはわかりません。

そしてバブル崩壊時にはその瞬間をあらわすミンスキー・モーメント(ミンスキーの瞬間)なるものがあるといわれています。

さて、そのミンスキー・モーメントとはいったいどんな瞬間を表しているのでしょうか。

ミンスキー・モーメントとは

ミンスキーというのは人の名前です。経済学者のハイマン・ミンスキーの名前が由来となっています。(ハイマン・ミンスキー(1919年~1996年))

ミンスキー・モーメントは、膨張したバブルが崩壊に転じる瞬間を指しています。(実際には瞬時に起こるものではないですが。)

ときとして、金融の過剰流動性から土地や株式などの資産価格の高騰が起こることがあります。上がるから買う、買うから上がるの連鎖が続き、人々は借金をしてまで、資産を買い漁ります。

しかし、やがてこの資産価格の高騰も下落に向かう局面がやってきます。あまりの価格高騰から買い手が少なくなってしまうのです。

今度は下がるから売る、売るから下がるの連鎖が始まっていきます。そうなると資産価格は目減りしていくことになりますが、借金は減りません。会社でいえば債務超過の状態に陥ります。

借金返済のために、やむなく資産の売却を迫られる瞬間、それがミンスキー・モーメントです。こうなると価格下落のスパイラルが止まりません。大量の売りがさらに資産価格を下落させ、借金の負担が重くなり、さらに売りを迫られていきます。まさに雪崩の如く資産価格の下落に拍車がかかっていくのです。

そして、この一連の流れが不良債権の急増につながり、金融機関の信用収縮(貸し渋りや貸しはがし)が起こり、失業者が増加していくのです。

アメリカ株にミンスキー・モーメントは来るか?

アメリカ株は金融緩和期待に支えられ、最高値圏を推移していますが、新聞には最後の晩餐などという見出しの記事もありました。まんざら嘘話として流すこともできません。

ミンスキー・モーメントがひたひたと近づいてきているかもしれません。そして今、世界の債務はリーマンショック時を大きく上回っていますから、その影響はリーマンショックを上回る可能性が大きいといわざるを得ません。

来年の大統領選挙後が心配です。

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