AIが進化すれば労働市場はより分断化される

IT革命が庶民に広がる第一歩となったのは今を遡ること約25年前。Windows95の登場でしょう。
マウスでアイコンをクリックするというわかりやすい操作でPCを身近な機器に変貌させました。以降、インターネットの普及が進み、職場にもPCが一人一台が当たり前の時代となりました。
| 労働市場の二極化
ところで1995年以降の20年間における労働市場の変化を示したのが下記のグラフです。

(出所:社会実情データ図録)
上に伸びているのが、増えている労働市場、下に伸びているのが減っている労働市場です。
青色が高スキルの仕事、黄色が中スキルの仕事、茶色が低スキルの仕事です。
なお、高スキルの仕事とは「管理職」「専門職」「技師・准専門職」、低スキルの仕事とは「サービス・販売従事者」「単純作業」となっており、中スキルの仕事はそれ以外の仕事を指しています。
程度の差こそあれ世界的に、中スキルの仕事が減少し、高スキルと低スキルの仕事が増加しています。
労働市場の二極化が進展していることがよくわかります。日本はそれほど二極化が進展していないのが救いですが、今後の進展余地があると考えることもできるでしょう。
| 二極化が進展した要因
この進展にITが一役買っていることは間違いないでしょう。ちょっとした事務作業や組み立てといった仕事はPCやロボットに取って代わられてしまいました。
AIが進化すれば、ますますその傾向は強まっていくだろうと思います。AIを活用する高スキル労働者と、AIに指示される低スキル労働者という構図です。
そして、人口比率でいえば後者のほうが圧倒的多数になるでしょう。現在のピラミッド型の格差社会から逆T字型の超格差社会へ変貌していくものと考えられます。
人間社会がAIによって分断される。そんな世の中がひたひたと迫っているようです。
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