黒田日銀総裁、なぜ怒らない?アベノミクスの梯子外し

札束



安倍政権が発足したのが、2012年末ですから、もうすぐ7年にもなろうかというのに、日本は未だデフレから脱却できていません。鳴り物入りのアベノミクス。当初は3本の矢が飛んでいくはずでした。

ご存知のとおり、1本めは金融政策、2本めは財政政策、3本めは成長戦略です。

1本めの矢は順調に飛んでいきました。黒田バズーカと呼ばれた大胆な金融緩和は見事に人々のインフレ期待を高め、円安への誘導に成功し、株価も大幅に上昇しました。

2013年は財政政策も積極的に行ったため、2本めの矢も順調に飛んだかのように思えました。しかし、2014年4月には消費増税を行うとともに、財政支出の紐を締め始めたのです。

金融緩和の効果だけではやはり限界があります。やがて流動性の罠に見事につかまり、金融緩和という処方薬には耐性ができてしまいました。

いくらお金を借りられる環境を整えても、借りたいと思う人がいなければ、市中に資金が回るわけがありません。

金融緩和の効果が効いているうちに、財政政策を推し進め、成長戦略を練って実行していくという3段ロケットが打ち上げられるはずだったのですが、2段めのロケットは失速し、3段目は着火してるのかどうかも定かではありません。

結果論的ですが、巨額の財政支出がクラウディング・アウトを引き起こすというのはまったくの杞憂でした。

不思議に思うのは、なぜ黒田日銀総裁は激怒しないかということです。後に続いてくれるはずの矢が飛んでこないのですから。梯子を外されたと思うのが普通ではないでしょうか。

個人的見解

なぜか?いくつかの仮説です。

1.コテコテのリフレ派説

根っからのリフレ派であって、金融政策だけでデフレ脱却ができると信じているのであれば、怒りも起こらないでしょう。

金融政策を駆使すればなんとかなる、あとはおまけだと考えているならば、市場が間違っているのであり、政策は間違っていないと思うからです。

2.実は財政破綻を心配している説

黒田日銀総裁は元財務省官僚です。財務省といえば財政破綻の危機を煽りまくる狼少年集団です。

その集団の中にいたのですから、財務省の思考回路がしっかりと組み込まれていていまさら思考回路を変えられない可能性があります。

財政政策で政府が国債をバンバン発行して公共投資をすると、財政破綻を引き起こすと内心で信じているならば、財政政策が思うように実行されなくても怒りは湧いてこないでしょう。

しかし、不可解なのは、2002年に日本国債の格付けが格下げとなった際、当時の黒田財務官は日本国債がいかに安全であるかを格付会社に問い質している点です。

(関連記事:財務省が日本国債の安全性にお墨付き!!

3.実は怒っている説

本当は頭にきているのですが、セルフコントロールがうまくできるので、怒りを静めているのかもしれません。

なんとか、アベノミクスがよちよち歩きをしていくのを助けたいという親心で、我慢をしている可能性があると思います。

この時期に「消費増税?ふざけんな!」と思いつつ、なんとかその怒りを晩酌(やけ酒)で鎮めているのかもしれません。

最後に

黒田日銀総裁の任期は2023年4月までです。個人的に黒田総裁のことを応援したい気持ちもありますので、当初の目標である2%インフレを達成して退任していただきたいと切に願うのであります。

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