さくら総合リート投資法人、同日に2度投資主総会開催へ

ビル



同じ日に同じ会社が2度株主総会を行うといった事例が過去にあったかは不明です。しかし、Jリートではそのような事態の発生が決定的になりました。

Jリート初の敵対的買収の標的にされているさくら総合リート投資法人です。

2つの投資主総会

執行役員の改選と資産運用会社の変更を求め、スターアジア側が開催を求めた投資主総会が開かれるのが8月30日午前10時。

投資法人みらいがさくら総合リートを吸収合併することを諮るためにさくら総合側が開催する投資主総会が開かれるのは、同じ場所で午後3時(予定)。

スターアジア側は裁判所に求めていたさくら総合主導の総会の差し止め請求を取り下げたため、2つの総会開催が決定的となりました。

午前の総会が長引いたらどうなるのだろう?、昼飯はどうすればいいのだろう?(行くつもりはないですが)とか、くだらない疑問が湧いてきますが、もっと重要なのは総会での決議がどうなるかです。

総会決議の結果とその影響

話を単純化させるため、スターアジア側の提案をA、合併決議をBとして考えてみるとパターンは以下の4つになります。

1.AもBも否決
2.Aは承認、Bは否決
3.Aは否決、Bは承認
4.AもBも承認


さて、1、2、3は比較的単純です。

1. さくら総合リートは何もなかったかのように今のまま存続

2.さくら総合の役員がスターアジアグループの役員に入れ替わり、資産運用会社もスターアジアグループとなり、再度、スターアジア不動産投資法人との合併のための投資主総会を開催する。そこで、合併が承認されればスターアジアとさくら総合は合併するし、否決されれば、法人としては2つに分かれたままとなる。

3. さくら総合リートは投資法人みらいに吸収合併される。

問題はパターン4です。

役員と資産運用会社はスターアジアグループになりますが、一方でさくら総合リートとの合併はするということ?

それとも後出しじゃんけんで、さくら総合&投資法人みらい(ホワイトナイト)の勝ち?

いや、同日の決議で矛盾が生じるならば、よりハードルの高い特別決議の勝ち?

それとも、そもそもパターン4は発生し得ない?


んー、わからない。

この辺りのことをもっと詳しくかつわかりやすく投資主に説明してもらいたいもんです。それがわからないと、さくら総合側から届いた委任状の返信もしようがありません。

争っているように見えて、実は既に手打ちは終わっているのかもしれませんし、いったい全体どうなるのでしょうか・・・。

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