減益決算相次ぐ。ひふみ投信の運用銘柄トップ10から今後を占う

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米中貿易戦争を発端とする世界経済の減速が日本企業にもじわじわと広がってきました。

直近の上場企業の収益状況

2019年4~6月期の上場企業の純利益は前年同期比で14%減益となりました。とりわけ不調だったのは自動車産業や工作機械。中国の設備投資減少が大きく影響しています。

円高が進展していることも懸念材料です。

上場企業の多くが今期の想定為替レートを110円前後としており、想定レートを上回る円高がさらに減益要因として加わる可能性が高くなってきています。

街角景気の動向

体感の景気も冷え込んできています。

内閣府が発表した景気ウォッチャー調査は3か月連続の悪化となり、心理面でも景気の悪化が認識されてきています。ただでさえ低空飛行であったところ、梅雨が長引いて夏物商戦が不振となったことも冷え込みの要因となっているようです。

10月の消費増税を控え、駆け込み消費があるかと思えばさにあらず。毎月の月給も減る中で、今夏のボーナスも減り、駆け込み需要する余裕すらなくなってきたというのが実態でしょう。

10月以降の消費落ち込み前からこんな調子では今年の企業業績はとても期待できそうにありません。

ひふみ投信の運用銘柄トップ10から今後の株式市場を占う

ひふみ投信を運用しているレオス・キャピタルワークスの運用成績には本当に驚かされます。徹底したボトムアップアプローチによる企業調査が徹底されているのでしょう。

そんなひふみ投信に組み入れられている銘柄からレオス社が今後の相場をどのように考えているかを勝手に推測してみます。
(あくまで当方の勝手な解釈ですので、あしからずご了承を!)

2019年7月31日現在の組入銘柄の上位10銘柄は以下のとおりです。

1.協和エクシオ(1951):電気通信設備大手
2.光通信(9435):インターネット回線や携帯電話など法人向けのストックビジネス
3. ネットワンシステムズ(7518):ネットワーク構築、運用を手がける
4.東京センチュリー(8439):参入障壁が高い航空機などのリース大手
5. アマノ(6436):就業時間管理システムや駐車場管理などを手がける
6. シスメックス(6869):検体検査機器や試薬の大手
7. 外国株:財務会計ソフト関連
8.外国株:クレジットカード関連
9.ショーボンドHD(1414):橋やトンネルなどインフラの補修・補強を手がける
10.東京エレクトロン(8035):半導体製造装置の開発・製造


眺めてみて思うのは、守りを強めている感があること、そして攻めの主体は5G関連銘柄であることです。

やはり景気後退を懸念しているのではないでしょうか。不況に強いストック型の会社に投資しつつ、将来の成長に備えて情報通信関連株にも投資している守りと攻めの両輪体制です。

景気対策のための財政出動にも期待しているようです。ショーボンドHDが入っているのはそのためだと推測します。

今、まさに数年後に備えたポートフォリオの再考時期に来ていると感じます。


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