さくら総合リート投資法人の投資主総会招集通知が2通届いた

ボクシング



さくら総合リートをめぐる買収戦争にともなって、2019年8月30日に2回行われる主催者が異なる投資主総会の招集通知が届きました。総会で諮る内容は既報のとおりで、特に目新しいものはありません。



議案の内容


(スターアジア側主催の総会)
さくら総合の現執行役員を解任し新役員を送り込もうという案と、さくら総合側の資産運用会社の契約を解約し、スターアジア側の運用会社と新契約を結ぶという案です。

(さくら総合側主催の総会)
ホワイトナイトたる投資法人みらいとの合併契約承認を諮る案がその骨子となっています。

気になる点(合併比率の妥当性)


さて、個人的にはたまたま3銘柄とも保有していたため、どう転んでも構わないっていえばそれまでなのですが、それではいかにも無責任というか、こんな面白い(不謹慎で恐縮です。)ドタバタ劇を見逃すわけにもいかず、興味深く経過観察しているのであります。

そして、どちらの主張が妥当であるかの視点はあくまで、さくら総合の投資主として判断してみたいと思っているのです。

気になったのは、さくら総合側の招集通知に記載のある合併比率に対する考え方です。自分であれこれ計算してみようと思っていたところ、その必要がなくなって助かりました。

ちなみに議案では、さくら総合の投資口1口に対し、投資法人みらいの投資口が1.67口交付されることとなっています。

合併比率の算定根拠


上記合併比率は、その妥当性を担保するため、三菱UFJモルガン・スタンレー証券とSMBC日興証券をアドバイザーとし、両社が算出した数値を根拠として決めています。

評価方法はいくつかありますので、どれが一番妥当かは難しいところですが、以下はその結果です。

20190817sakura.jpg

一定の幅がある数値の中間値を取って、平均を計算してみたのが下図です。
赤字部分は当方が勝手に追記し計算していますので悪しからずご了承を)

20190817sakura2.jpg

合併比率はさくら総合の投資主にとって、もう少し有利になるべきではないか?というのが個人的な印象です。平均を使った計算で取って付けたような印象ですが・・・。

さてどちらに賛成する?


まあ、強力なスポンサーを持つ投資法人みらい側が有利であるのは間違いないと推測します。

しかし、合併比率がさくら総合の投資主にとって不利な印象はぬぐい切れません。個人的にはスターアジア側につきたいと思います。

解決されない疑問


それにしても未だよくわからないのは、矛盾する議案が双方で可決されてしまった場合の対応です。

どちらの招集通知にも、本投資主総会の議案で相反するものがある場合は投信法に定める「みなし賛成」は適用されないとあります。しかし、各々の総会の議案では矛盾する議案がないため、「みなし賛成」が適用されます。

(関連記事) さくら総合リート投資法人、同日に2度投資主総会開催へ

これ以上考えてもわからないし、8月30日を過ぎればおのずとその結果もわかるでしょう。あと2週間の委任状争奪合戦。どちらにどう転ぶのか目が離せません。

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