「夏は円が高くなる~」さて一体いくらまで?

「夏は股間がかゆくなる~」ならぬ「夏は円が高くなる~」なのです。
過去20年間、8月は70%の確率で円高になるというのです。事実、今年も夏に円高が進みました。
これは構造的要因とその時々の経済状況による要因の2つに分けられます。
| 構造的要因
日本の輸出企業は夏休み中に円高が進むリスクを避けるため、夏休み前に為替予約をします。
要は夏休みに余計な心配をしなくてもいいように為替リスクを無くしておくのです。
この為替予約(円買い、ドル売り)により円高が進むというわけです。
| 時勢的要因
FRBは7月末に政策金利の引き下げを決定しました。
アメリカは世界的景気後退の影響から今後も金利を下げていく可能性があります。アメリカはまだまだ金利を下げる余力があるのです。そうなると日米の金利差が縮小し、相対的に円の魅力が上がり、円買いドル売りの圧力がかかりやすくなります。
トランプ大統領は米中貿易戦争で、妥協する気はないようです。しかし、これは返り血を浴びる政策でもあります。
現実にアメリカ経済は少しずつ減速し始めています。4~6月期の米国GDPの伸びは1~3月期に比べ緩やかになっています。そしてこの返り血をぬぐうために金利低下の圧力を今後もFRBにかけていくでしょう。来年の米大統領選が終わるまで、円高圧力が継続する可能性が高いと思います。
その他にもイギリスの合意なきEU離脱がいよいよ現実化しそうです。世界経済の混乱が深まれば、安全通貨である円が買われやすくなるのは過去の経験からも明らかでしょう。
| 個人的見方
さて、円高が進むとしたらいったいどの程度までなのでしょうか。個人的な見解ですが、購買力平価から考えると1ドル100円割れは十分にありうると考えます。
今、海外の資産を買うことは打診買いであればともなく、本格的な投資は来年以降にしたほうが良いと思っております。
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