MMTにおける財政規律の考え方と安倍首相の3つの敵

道



卵が先、鶏が先か?

これは政府の財政規律を考える際にも当てはまる争点です。



主流派経済学の考え方


主流派経済学にあっては、税収よりも支出が多ければ、赤字国債を出さざるを得なくなり、際限なく国債発行残高が積み上がっていけば、いずれ国債の金利は暴騰し、高インフレとなって国家財政が破綻すると考えるわけでしょう。

そして、財政破綻を避けるために国の歳出は削減し、税金を上げるという政策に帰結するのです。

しかし、デフレ期の日本にあっては、ひたすら国債発行残高が増え続けたのにもかかわらず、金利はひたすら下がり続け(いまやマイナス金利が継続中)、インフレどころか、未だデフレを脱却できずに苦しんでいるのが現状です。

なお、主流派というのは最近数十年のことであり、それ以前にあっては非主流派だったことを添えておきます。

MMTによる考え方


一方、最近話題となっているMMT(現代貨幣理論)にあっては、政府債務残高の多寡をもって、政策決定の拠り所とはいたしません。

政策決定の拠り所はあくまで物価動向です。

インフレ率をマイルドな数値(2~3%程度)に保つことをまず目的とします。その目的を達成するために、必要な措置を行うという考え方です。

今の日本であれば、デフレ脱却ができず、民間投資にもあまり期待が持てないので、政府が積極的に財政支出をして需要を喚起し、マイルドなインフレに持っていくことを目標とします。

政府債務残高は結果であって、原因ではないという考え方です。適度なインフレ率となったところで、財政支出を抑制する、あるいは増税して熱を冷ましていくという政策です。

MMTという新たな用語で語られるため、新しい考え方かと思うかもしれませんが、かの有名なケインズ経済学の流れを汲む理論と考えて間違いないでしょう。

日本の失敗(失われた20年)


この20年間、日本は主流派経済学の政策に乗っかり、ひたすら失敗を繰り返してきました。しかし、政策転換すれば、今なら間に合う可能性は十分にあります。

それにしても残念なのは10月の消費増税です。明らかにインフレ対策のための政策であり、やるべき政策とは正反対なのです。アクセル踏まなきゃならないところで、ブレーキ踏むんだから自動車学校の教官だったらびっくりするでしょう。

もはや、消費増税はストップできないので、デフレ脱却への道は遠のきました。もちろん、物価は上昇するでしょう。税金分だけ・・・。それは本来の目的とはまったく異質の物価上昇であり、翌年はその反動が待ち受けているだけなのです。

今後数年間のうちに、消費減税(10%→5%など)が必要となる可能性も捨て切れません。

IMFやOECDの言うことなど真に受けてはなりません。そこには、財務省からの出向者がウヨウヨしており、その意向を受けた進言がなされるだけだからです。

財政規律の考え方、それは今後、政府債務残高の多寡ではなく、物価動向により判断するという流れに変わっていくことが望ましいのですが、そのハードルは山のように高く、なかなか超えられないのが目に見えています。

何をなすべきかわかっているのに、それがなされないのですから、庶民としてはもどかしさを感じざるを得ません。

安倍首相の3つの敵


「日本経済2020年危機」(三橋貴明著:経営科学出版)という本に興味深いことが書かれておりました。

著者である三橋貴明さんと内閣官房参与(当時)の藤井聡さん、参議院議員の西田昌司さんが安倍首相と会食した際の対話が記述されており、これがまた興味深い。会食は2017年12月12日というです。

詳細はこと細かに記述できないとしたうえで、安倍首相が「自分には3つの敵がいる。」と言ったそうです。

敵1)朝日新聞に代表される反日左翼

何をやっても批判されるということです。まあ、彼らの目的は安倍おろしなので当然といえば当然でしょう。当時はモリカケ問題で首相を糾弾し、国会がまともに機能しませんでした。時間を大いに無駄にさせられたわけです。

敵2)財務省

緊縮財政路線が誤りであることは安倍首相も認識しているのですが、敵があまりにも狡猾で強い。

財務省は数百人体制で、政治家、マスコミ、評論家を洗脳して、自分たちの意のままに操ろうとします。操れない人は、政府関係の諮問機関などには呼ばれないし、マスコミからも干されてしまうのです。

そして、大手マスコミで声高に評論するのは財務省に洗脳されたロボット人間だったりするのです。

総理は緊縮財政について、自分の代で終わらせたいと語ったとか。そして安倍総理の発言要約として、記述されているその理由がすごいのです。

安倍首相の有力後継者と目されている「石破茂氏」「岸田文雄氏」「小泉進次郎氏」は既に財務省に洗脳されているというのです。

これが事実なら滝川クリステルは裕福であるにもかかわらず、慎ましい生活を送らなければならないかもしれません。将来の夫婦仲が心配です。

ともかく、これはかなりショッキングな内容です。エログロ週刊誌でもあるまいし、まさか嘘八百でもないでしょう。この本が一般の書店で売られないのは危なすぎる内容だからかもしれません。

そして、本の内容はある種の暴露本みたいになってしまっているので、安倍首相の怒りを買うことになったかもしれません。(その存在に気が付けばですが・・・)

敵3)グローバリズム

具体的には国際金融資本ということですが、具体的な記述はなかったため、詳細はわかりません。

これはあくまで推測ですが、グローバリズムによる貿易自由化の波は明らかにデフレを加速するものであり、今の日本がとるべき政策ではないということだろうと思います。

とにかく、一国の首相であっても思うに任せないほど日本の闇は深いのであります。

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