さくら総合リートをめぐる買収合戦が意外な結果に

その道のプロから見れば意外ではなかったのかもしれません。しかし、私個人にとっては意外な結末となりました。
さくら総合リート投資法人をめぐる買収合戦です。本日(2019年8月30日)、スターアジアグループが主導して開催するさくら総合の投資主総会と、さくら総合が主導して開催する同法人の投資主総会の結果がついに出たのです。
私個人としては、スポンサーに三井物産がついている投資法人みらいが有利だと見ていたのですが・・・
投資主総会の結果(スターアジア側主導の総会)
スターアジア側の提案していた議案2つがいずれも可決されました。これで執行役員はスターアジア側の役員へ変わることとなり、また資産運用会社も変更されます。
同総会で、さくら総合側が投資法人みらいへ経営の主導権を委ねる修正動議を発議しましたが、反対多数で否決されました。
しかも、この否決はみなし賛成を不適用としたうえでの議決であり、参加者の積極的判断によるものであることは大いに注目されるべきでしょう。
投資主総会の結果(さくら総合側主導の総会)
先に開催された総会で可決された議案が、さくら総合側の議案と相反する趣旨の議案となってしまったことにともない、みなし賛成制度は適用されませんでした。
そして、定足数が不足したため、そもそも議案が上程されることなく不成立となりました。
さくらがっかり、ってところです。
9月10日の投資法人みらいの投資主総会って開かれるの?
さくら総合の投資主に反対されてしまった投資法人みらいとの合併案。2019年9月10日に開かれる投資法人みらいはさくら総合との合併にかかる承認を受けるための総会・・・。
敗北が決定してしまったのに開催されるのでしょうか。中止の連絡でも来るのかもしれませんがよくわかりません。
勝手な想像による報復案
この際、投資法人みらいはスターアジアに同じスキームでやり返したら面白いとは思います。
しかし、正当化できる理由もないし、無理な話でしょう。
スターアジアもまだ乗り越えなければならない壁があります。完全に合併できると決まったわけじゃありません。
さくら総合の投資主総会を再度開いて、スターアジアとの合併承認を諮らねばなりませんし、スターアジアの投資主に対する投資主総会で吸収合併の承認を得なければなりません。
とはいえ、一定のけりはついたと考えてよいのではないでしょうか。
一連の流れは下記の関連記事をご覧ください。
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