「人生100年時代」っていったい誰が言い出したのかを検証

老人



現経済産業省官僚で評論家でもある、中野剛志さんの『奇跡の経済教室(戦略編)』を読んでいると、政府が「人生100年時代」というスローガンを打ち出したとありました。

最近にわかによく聞くようになった言葉で、なんか違和感があると感じていたところ、中野さんの著書によれば、それは政府が政治的意図を持って打ち出したことが書かれており、腑に落ちたといったところです。

しかし、いったいどこの誰かまでは書かれていない(途中までしか読んでいないので、これから出てくるかもしれません。)ので、出所を知りたくなりました。



「人生100年時代」とそのココロ


「人生100年時代」という言葉は「一億総活躍社会」とセットになっていると感じます。

そのココロは、人手不足の解消です。なにしろ団塊の世代が現役を引退してから労働人口が一気に減少したため、デフレにもかかわらず人手が足りないといった妙な現象が続いています。

そこで、労働力として注目したのが、「高齢者」と「女性」ってわけなのでしょう。

女性については、またの機会として、今回は高齢者に絞って考えてみたいと思います。

スローガンの出所は?


ロンドン・ビジネススクールのリンダ・グラットン教授の著書が発端となっているようです。人材論、組織論の世界的権威だそうです。

グラットン教授は「LIFE SHIFT -100年時代の人生戦略」という本の中で、世界の平均寿命は1840年から10年に2~3歳のペースで延びていて、2007年に先進国で生まれた子供たちの半数は100歳以上まで生きると予測しています。

また、日本の子供たちに至っては半分の子どもが107歳まで生きると語っています。

(どんな根拠かはよくわかりません。近似曲線引いて、単にその傾向が続くと考えているものと推測します。日本人の平均寿命が今、長いので、未来も長いだろうっていう単純な論理だと思います。間違っていたらすいません。)

同著は邦訳されて日本でも販売されており、相当売れているようです。なにしろアマゾンのレビューが200近くもあります。ちなみに評価は「★★★★☆」。

帯には「働き方革命」の原点がここにあると書かれており、日本の働き方改革に影響を与えたことは間違いなさそうです。

日本で広がりを見せたのはなぜか?


いろいろと調べてみると見えてきました。やはり、上記の本がきっかけとなっているのは間違いありません。

本の日本発売と同時期の2016年10月、小泉進次郎氏はじめ自民党若手議員らが立ち上げた2020年以降の経済財政構想小委員会から、「人生100年時代の社会保障へ」という提言が発表されたのです。

なんと小泉進次郎氏も一枚絡んでいたのです。子どもが107歳まで生きるってことに期待して「できちゃった」のかは定かではありません。

日本政府も、2017年9月にはグラットン教授を招いて「人生100年時代構想会議」なるものを開催しています。

この辺りから「人生100年時代」という言葉が流行りだしていると考えられます。

個人の感想


海外の権威を武器にブームをうまく政治利用したという印象です。

それにしても、過去の延長が必ずしも未来も継続するとは限りません。単に直線的なトレンドラインを引いただけじゃないでしょうか。

グラットン教授は生物学の権威でもないようですし、どうにも怪しい論理です。

そのような論理であれば、一昔前、日本人の平均身長はどんどん伸びて、いつか2メートルにもなろうって話ですが、実際には止まりました。

そして、現にアメリカでは、平均寿命が2年連続して短くなっています。いつか、日本もピークを打つときが来るでしょう。画期的な不老長寿の薬でもできれば別ですが・・・。

「人生100年時代」。順調に平均寿命が伸びたとしても人口の半分のみが生きられる時間です。ましてや今後の伸び悩みを考えると稀有な長寿であることに変わりはなかろうと思います。

本当のところ、身の回りで100歳超えて活躍している人に会ったことがないです。テレビに出てくる(きた)ような人しか知りません。きんさん、ぎんさんとか・・・。

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