証券会社の店舗戦略にその苦悩が窺える

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店舗を展開している対面型の証券会社が苦悩しています。ただでさえ、顧客がネットに流れていく中で、株式の売買代金も低迷しており、経営環境は厳しくなる一方です。

多くの手数料を落としてくれる顧客層も高齢化して亡くなる人が多くなり、相続する若い顧客層は対面では取引してくれないケースが多いのです。

とりわけ、地方の証券会社は相続人が都市圏に住んでいるケースも多く、最初から競争の土俵に乗れない場合もあり、非常に厳しい状況となります。

証券会社の店舗数

証券会社の店舗はここ10年で約1割減少しており、この流れは継続しそうです。

また店舗の立地も繁華街の一階にどーんと構えるのではなく、空中店舗としたり、来店誘致型ではない単なる営業マンの駐在所的な営業所が増えているようです。

もともと、証券営業は来店が少なかったのに加え、ここ10年程度でさらに約3割、来店客が減少しているので、店舗を構える意義が薄れているということでしょう。

これは銀行にも当てはまることです。

個性ある店舗戦術を打ち出す会社も

また一方で、高級感や特別感を全面に打ち出して、プライベートバンキング的な空間を提供しようという動きもあります。

SMBC日興証券は隠れ家的で予約した顧客のみ対応する店舗を開設したそうです。日経新聞にその写真が掲載されていましたが、まるで高級割烹といった趣です。

会員制のサロンを開く証券会社もあります。富裕層のプライドをくすぐる戦術でしょう。

しかし、このような戦術は根本的な解決にはならないと予想します。

なにしろ、今後の顧客層(若い人)は共働きで忙しく、平日の日中に金融機関の店舗に出向いている暇などありません。有閑マダムは別として。

それに余計なセールストークなど聞きたくないのです。そしてそのトークも顧客のためであるかどうかがそもそも疑わしい。金融機関の体質は徐々に変わっているとは思いますが、本質までは変わっていないと思います。

自分で勉強してネットで発注するほうが、納得感もあるし、コストも安く済むのですから一石二鳥なのです。

注文もパソコンからスマホへとますます手軽になってきています。(LINE証券が8月20日からサービスを開始しました。)

結局は相場の神風に頼るしかない、というのが対面証券の実態であり、神風が吹かなければ更なる再編の嵐が吹くことになりそうです。

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