2019年度の業績予想を大手証券が軒並み引き下げ

雲



今年度の大企業の業績予想を大手証券会社(野村、大和、SMBC日興)が軒並み下方修正してきました。



下方修正の内容(経常利益)


(野村証券)

4.4%増益 → 0.2%増益

(大和証券)

3.6%増益 → 0.3%減益

(SMBC日興証券)

8.3%増益 → 2.2%増益

下方修正の要因


・円高

従来予想ですと、想定為替レートは各社とも110円程度を前提としていました。しかし、最近の動向を踏まえ、想定レートを106円前後に変更しています。これにより輸出採算が悪化するためです。

・米中貿易戦争を端緒とする世界経済減速

米中貿易戦争はその落としどころを見い出せず、ますます激化してきました。この影響が世界に波及し始めています。自動車、半導体など事業規模が大きい産業への波及が大きく、その影響が大きくなってきました。

日本の取れる対策


・日銀

長引く異次元金融緩和で、残された金融政策の威力は小さくなってきています。しかも世界経済が縮小する中、通貨安戦争が始まっています。(中国が典型)

日銀もさらなるマイナス金利の深堀りを覚悟しています。実際、10年もの国債で、スイス、ドイツなどを中心に複数のヨーロッパ諸国では日本よりもマイナス金利がひどくなっています。(これは歴史的出来事だと思います。)

世界的に資金需要がなくデフレ化が進んでいます。

(参考)世界各国の10年長期国債の利回り動向

利回り
アメリカ1.560%
ドイツ-0.638%
イギリス0.504%
フランス-0.341%
イタリア0.879%
スイス-0.919%
日本-0.244%
中国3.023%
インド6.597%
ロシア7.040%

・日本国政府


来年度予算の概算要求が105兆円。昨年の要求に比べ2.3兆円ほど増えていますが高齢化による社会保障費の自然減が0.5兆円ほどあり、その伸びは鈍く、ほぼ横ばいです。

消費増税による民間消費や設備投資の落ち込みを防ぐには、政府の大胆な財政出動が必要なのにお寒い限りの金額であり、これでは早期のデフレ脱却は無理でしょう。

民間の積極的な消費や投資は今期待できないのですから、インフレ目標を達成するまでは毎年、政府が5%くらいは予算を増やしてくれないと・・・。

個人も駄目、企業も駄目、政府も駄目のトリプルダウンになってしまいます。

所感


証券会社はその業務上、なかなか弱気な予想を立てづらいものです。なにしろ景気が悪くなると言えば株や投資信託を買ってくれなくなってしまいますから。

それでも下げてきたってことはかなり深刻な状況なのでしょうし、2社はなんとか増益予想をしていますが、実際のところ、マイナスになる可能性が高いのではというのが個人的な感想です。

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