パソコンが売れている。その理由は単純ではなかった!

2019年4~6月期におけるパソコン販売は前年同期比で約4割伸びています。
やはりWindows7のサポートが2020年1月に終了するから、やむを得ず買い替える人が多いのだろうと高をくくっていたら、話はそんな単純ではありませんでした。
そして、スマホに押されまくり、一時期はピーク時の半分にも売上げが落ち込んだパソコンにも復活の芽が出始めたとも思えるのです。
(要因その1)消費増税前の駆け込み需要
10月に消費税が8%から10%にアップするのはご存知のとおりです。しかし、今のご時勢、実質賃金が減っており、耐久消費財などの駆け込み需要もほとんどないという認識でいました。
しかしながら、やはり駆け込み需要は少なからず存在するのです。パソコンもピンからキリまでありますが、15万円のパソコンであれば、2%違うと3,000円の違いが出てきます。
どうせなら安いうちに買っておこうというのは人間心理からして当たり前といえば当たり前でしょう。それにしても、下表を見ればパソコンがスマホに取って代わられたことがわかるでしょう。
もはやインターネットにアクセスするツールはパソコンよりもスマホのほうが多くなりました。そしてそれは、若い世代でより顕著です。

また、パソコンの地位が相対的に下がったことはパソコンの平均使用年数が年々長くなってきていることからも明らかでしょう。いまやパソコンは7年使うのが当たり前になっており、パソコンの世界でも高齢化が進んでいます。

また上表で注目したいのは2014年です。2014年といえば前回の消費増税の年です。駆け込み需要後に軒並み耐久消費財の使用年数が延びていることから、消費増税がいかに消費にダメージを与えるかがわかろうというものです。
(データ出所:社会実情データ図録)
(要因その2)働き方改革の影響
政府が推進した働かせ、いや働き方改革により、会社員の働き方に変化が出てきています。
無駄の時間を排除するため、出先でもパソコンを使って仕事をする人が増えているのです。
いまやテザリングやWiFiを使えば、喫茶店などでもインターネットに接続できますし、自分の勤務する事務所にいちいち戻らなくてもいいようにあらゆる場所にサテライトオフィスを置く動きが広がっています。
しかし、デスクトップパソコンを持ち運ぶことはできません。当然、ノートパソコンが必要になるのです。
スマホでもメールくらいは打てるでしょうが、長文はやはり辛い。目も疲れるし、文字を打つのも時間がかかってストレスが増します。その点、ノートパソコンなら画面は大きいし、キーボードで早く入力でき、効率的です。
(要因その3)プログラミング教育の必修化
個人的にはこの理由が一番の驚きでした。2020年からなんと小学生にプログラミング教育が必修となるというのです。
日本でもGAFAのような企業が育つようにという政府の願いなのでしょう。日本はソフトの世界では完全に世界に遅れをとりました。
その遅れをなんとか取り戻して、世界に通用するプログラマーや起業家を育てたいという切なる希望だと思います。
そして、プログラミング教育必修化にあわせ、子どもにパソコンを買い与えているというわけです。
近頃の新入社員はパソコンのスキルが確かに低い傾向にあると思います。パソコンは仕事で使う面倒くさいツールという認識が浸透してしまっているようです。この趨勢もまた変わることになるのでしょう。
また昨今のAIブームがきっかけとなり、社会人にもパソコンのスキルの必要性が再認識されているようです。
日本でも未来のビル・ゲイツやスティーブ・ジョブズが登場する日は来るのでしょうか。大いに期待したいものです。
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