Jリート絶好調を維持。地方物件へも恩恵が波及

Jリートが引き続き絶好調を維持しています。下表は異次元金融緩和が発動された2013年からの東証Jリート指数の推移です。

すでに2倍近くの水準にまで到達してきました。平均予想分配金利回りも4%を割り込んできており、過熱感も出ていますが、何しろ世界的な金利低下の影響で、日本も超低金利政策を維持せざるを得ないことはJリートにとって大きな追い風です。
そして何よりも、いまだ日本はデフレからの脱却が果たせていません。資金需要が極端に少なく、政府の財政出動はプライマリーバランス至上主義のため期待できません。
なにしろ、2025年までにプライマリーバランスを黒字化しようなどと言っているのですから、2025年までデフレが継続するのは既成事実だといっても過言ではないでしょう。
それに加えて、10月の消費増税。日本経済にドミノ倒しの危機が迫っているのです。しかし、それがJリートにとって追い風となっているのは皮肉といえば皮肉です。
その恩恵は地方の物件に及ぶ
ここ最近、地方の不動産物件を多く組み入れたJリートの値動きも堅調となってきました。ここ半年間で、地方物件の比率が高い、タカラレーベン不動産投資法人(3492)の投資口価格は25%も上昇しています。
また、地方物件に特化している、マリモ地方創生リート投資法人(3470)も11%高と好調です。
もちろん、首都圏の物件が多いJリートも上昇しています。地方主体の物件の出遅れ感が埋まってきたというところでしょう。
地方物件値上がりの背景
地方物件の多いJリートの値上がりの要因は地方の地価が上昇に転じてきたことです。
2019年の基準地価で地方の地価が28年ぶりに前年を上回りました。地方の地価上昇がJリートの値上がりに結びついているといえそうです。
経済評論家の三橋貴明さんが言うように、首都圏はむしろ労働人口が移民によって増えてしまい、賃金上昇のペースが遅くなっています。地方都市のほうが、人手不足で求人倍率が高いケースが多いのです。そして、家賃も安いし、物価も安い。
交通の不便さはありますが、これからは都市から地方への逆回転が始まると考えられます。
そのあたりのことは、三橋さんの『亡国のメガロポリス』に詳しく書かれています。
ホテル特化型Jリートの状況
ホテルは民泊の影響で不振であるかと思いきや、地方のホテルに投資を行っているインヴィンシブル投資法人(8963)も18%上昇と好調です。
それなのに、いちごホテルリート投資法人(3463)はさっぱり・・・。半年前よりもむしろ値下がりしています。取得物件を見れば地方に分散しているのになぜ?
理由がよくわかりません。単なる出遅れならば良いのですが、ここまで幅広い銘柄が買われているのに、いちごホテルだけが取り残されているとは考えにくい。
きっと、なにか買われない原因があるのでしょう。しかし、予想分配金利回りはJリートの中でトップ(唯一6%超)。よく調べてみて買い増しを検討したいと思っております。なにしろ、評価損はいちごリートだけなのです。
調査結果は気が向けば後日にでも。
【関連記事】
『亡国のメガロポリス』(三橋貴明著)を読んでみた

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