経済学者(井堀氏)が早くも次なる増税を日経新聞でせっつくという愚

パンチ



いやはや驚きました。2019年9月25日の日経新聞の「アナリシス」というコーナーで、井堀利宏氏なる経済学者が恥も外聞もなく、おかしな消費税論議を披瀝しておりました。

まったく驚くかぎり!愚かしさの目立つ部分を引用してみます。ほんの一部だけ賛同できる部分もありますが。

以下、引用

「あるべき逆進性対策としては標準税率1本で広く課税し、税収の一部を弱者に還付する方が実務上も税制度としても明快だし、より公平で効率的だ。」

「安倍首相は今後10年程度消費税を再引き上げしない方針を示している。その通りならば、10年間で財政状況は一層悪化するだろう。社会保障歳出の効率化や無駄の削減は必要不可欠であり、理論的には歳出を大幅に削減できれば消費税率10%のままでも財政再建は可能だ。ただし既に巨額の国債残高があり、今後も後期高齢者が増え、医療・介護など社会保障歳出の増大が不可避の厳しい財政状況を勘案すると、さらなる消費増税なしで財政再建が実現できるほど、日本財政の見通しは甘くない。
自然体のままで消費増税を先延ばしすれば、30年以降に消費税率を20%を超える水準まで大幅に引き上げざるを得なくなるだろう。
財政健全化は税収を増やして財政の持続可能性を回復させるのが目的だ。」

「増税は実施時点で国民には痛みとなるから、早めに増税すれば現在世代は負担を被るが、その分将来世代は助かる。逆に増税を30年以降に先延ばしすれば、現在世代は助かるが、財政再建を先送りされた将来世代は負担を被る。」

「10年後に消費税率を大幅に、例えば10%から20%に引き上げるよりも、消費税率を早めにかつ小刻みに、例えば毎年1%ずつ10年かけて20%まで引き上げる方が駆け込み需要と反動減が小さくなるし、世代間公平からも望ましい。財政健全化への政府のコミットメント(約束)も示せる。

「12年の民主、自民、公明の3党合意は、消費税増税に多くの与野党が賛同したことは画期的な合意だった。今後与野党を問わず、将来世代の利害を考慮する見識ある政治家が、財政健全化の具体的な道筋で再度合意することを期待したい。」

賛同できる点

賛同できるのは冒頭の還付方法のみ。

確かに消費増税後の還付方法は複雑怪奇だし、キャッシュレス化になじめない高齢者は恩恵を被ることができません。

また、還付期間も9か月と期間限定。9か月後には本格的に消費が冷え込むことになるでしょう。株価はそれを先取り秋から冬にかけて波乱含みだと思います。

まったくあきれ果てる点

とにかく、最初に結論ありき。20%以上まで消費増税をする必要があるが、一度にドカンとやるか、小刻みにやるかを考えたときには小刻みのほうがいいという主張です。とにかく20%以上なのです。

今回の10%への増税の影響がどの程度になるかがわからない中で、よくもこんな無責任なことが言えるな、とびっくりします。

財政再建至上主義。しかし、かつてアルゼンチンがプライマリーバランスの黒字化を達成したとたんに財政破綻したことをどう考えるのでしょうか。

また、増税しないと将来世代の負担が増すとの主張ですが、今財政拡大してデフレから脱却しなければ、経済が先細りして将来世代はますます苦しくなります。

災害が多くなってきている昨今、国土強靭化のために大規模な公共工事を行うことは将来世代のためになることでしょう。

消費増税で財政再建を目指す政治家は見識の「ある」、ではなく「ない」政治家です。これは10%打ち止め論を封じるためのくさびを打ち込むための主張であることは間違いありません。

この主張を展開した井堀氏は財務省の財政制度等審議会の臨時委員も務めています。財務省の御用学者だと思われてもしかたがないでしょう。

そして、このような記事を載せる日経新聞もまた財務省の犬であると思わざるを得ないのであります。

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