デフレ継続の後には再起不能のインフレが待っている・・・

1997年から本格的デフレに突入してはや22年。失われた20年どころではなくなってまいりました。
実質経済成長率の推移を見るとバブル崩壊後の低迷が著しいことが一目でわかります。

もはや根本的に考え方を変えないと日本はこの泥沼から這い出すことができません。
■ デフレ時代に起こってきたこと
その間、企業はひたすらリストラという名の人減らし、人件費の変動費化などともっともらしい理屈での派遣雇用の拡大を進めてまいりました。
政府がその後ろ盾となっていたことはもちろんです。
さて、デフレでは
モノが売れない
↓
給料が減る
↓
モノが買えない
↓
ますますモノが売れない
↓
ますます給料が減る
↓
ますますモノが買えない
↓
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↓
給料が減る
↓
モノが買えない
↓
ますますモノが売れない
↓
ますます給料が減る
↓
ますますモノが買えない
↓
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をひたすら繰り返し、経済規模がどんどん縮小して、モノの生産能力も弱体化していきます。
なにしろ設備投資したって売れないんだから、投資するわけありません。
■ そもそもデフレが起こる原因は?
デフレは以下の2つの要因が重なると引き起こされます。
・資産バブルの崩壊
・政府の緊縮財政
不動産や株式などが異様に上昇している場合、人々は自分も遅れまじとばかりに、それに乗っかろうとします。そして、人より儲けようってことで、借金してまで買う人が現れてくるのです。
しかし、バブルはいつかはじけます。そして残されるものはただ一つ。借金の山です。
バブルに踊らされた人々は借金返済に追われ、新たな投資などできないし、消費も抑えられます。当然に民間の需要が減少していきます。
税収も減っていきますので、政府もあせりだします。そして、国家予算まで削減しようとしてしまうのです。
栄養失調でやせた人に、「やせた人には栄養は少なくてもいいんだろ。」といわんばかりにカロリー制限したらどうなるか?それと同じなのです。
■ デフレの長期化の後には悪性インフレの道が待つ
ところが何かの拍子(典型的なのが災害)でモノが壊れたりして、新しいモノを買わざるを得なくなったときに、もはやその生産能力が残っていなくなっているのです。
今後は皆がこぞってモノが欲しいとなっても、それを作るノウハウも人も工場や装備もなくなっているのです。
そうなるとどうなってしまうのか・・・。急にとんでもないインフレに陥るのです。
お金持ちはどんなに高くても買おうとして、どんどんモノの値段がつり上がり、お金の価値は相対的に低くなります。究極はタダの紙切れです。
国内で生産できなければ海外から輸入するしかありませんが、そのときには円高どころかとんでもない円安になって、外国からモノを輸入することもままならなくなってしまいます。1ドル=1万円とか・・・。
日本は食糧自給率が低いし、エネルギーも海外に依存しているわけですから、日本滅亡の危機です。
■ デフレ脱却のためにどうすればよいのか?
そんな風にならないためにもいち早くデフレから脱却し、モノの生産能力を維持しておかねばなりません。
民間が萎縮しているのですから、政府が大盤振る舞いしてお金を使うしかないでしょう。財政政策です。アベノミクスは財政政策が1つの柱になっていたはずなのに実際には財政支出はほとんど横ばいで増えていません。

金融政策だけでは限界があることはこの6年ですっかり明らかになりました。
デフレから早いこと抜け出さないと悪性インフレに転じる芽が土のなかでむくむくと育っていくこととなり、いつの日か芽を出す時がくるのです。
名ばかりアベノミクスを本当のアベノミクスにしてもらいたいもんです。
(データ出所:社会実情データ図録)
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