au(KDDI)と組み、社名も変え、非上場化するカブドットコム証券の戦略は・・・

カブドットコム証券。なにやら変わった名前ですが、ご存知の方も多いでしょう。
■ カブドットコム証券の存在感
ネット証券では大手とはいえ、預かり資産規模で、SBI、楽天、マネックス、松井に次ぐ万年5位といった中途半端な存在感です。
この序列は、カブドットコム証券が三菱UFJグループに入っても変わりませんでした。
なんでだろう?
名前がぱっとしないとか、手数料が若干高めとか、いろいろ考えられますが、複合的な要因でしょう。
考えてみると業界秩序ってものは一度固まってしまうとなかなかそれを打ち崩すことは難しい。
自動車業界を見れば明らかでしょう。トヨタは万年1位。日産とホンダがそれに続き、マツダ、スズキ、スバルがさらに続くといった構図は昔から変わっていません。
■ カブドットコム証券の新たなる選択
ところでそのカブドットコム証券、KDDI(au)がカブコム証券の49%の株主を持つこととなりました。(三菱UFJFGは51%)。
2019年8月には上場廃止となり、非上場化しました。
そして、今度は社名を変えるということです。その名も「auカブコム証券」。なんだかまた冴えない名前ではありますが、冠にauがつくのはインパクトがあります。
カブドットコム証券の顧客基盤は約100万人。auと組めば、auの契約者5,000万人が潜在顧客になるというわけです。
非上場会社となったことで、株主からの短期的利益追求のプレッシャーから解き放たれ、新たな冒険を始めようということなんでしょう。
そもそもカブコム証券の斉藤社長はシステム上がりのたたき上げであり、今でも自社でシステム開発しているというから驚きです。
より機動的な対応ができるし、保守費用も抑えられるといったメリットがあるのだと思います。一方で、システムの安定性や堅牢性といったものに不安がつきまとってしまうというデメリットもあります。
しかし、斉藤社長は今後も自社開発のメリットを生かしていく方針のようです。NISAなど複雑な仕組みを自社で対応し開発したのですから、すごいの一言。社員は大変な目に遭っていそうですが・・・。
■ 私見
さて、5,000万人の顧客基盤を生かして業界の序列を打ち崩すことができるのか。個人的には厳しいと感じざるを得ません。なにしろ、上位ネット証券の経営者の器が大きかったり、ブランド力があったりして、とてもかないそうにありません。
SBIの北尾氏とかは壮大な野心家であるし、楽天証券は楽天のブランドをフルに生かした顧客獲得が可能です。4位になる可能性は残されているとみますが、そこまでが限界でしょう。
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